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世界は何もかもおかしい
今日書こうとしていることは簡単なことではない。一言で言えば表題のように「 何か大切な処で道を間違えた 」という言葉が一番近い。
この言葉はさだまさしの歌、「風に立つライオン」の歌詞の一部である。もう少し引用させていただくと…
三年の間あちらこちらを廻り
その感動を君と分かち合いたいと思ったことが沢山ありました
ビクトリア湖の夜明け 100万羽のフラミンゴが一斉に翔び発つ海
暗くなる空やキリマンジャロの白い雪 草原の象のシルエット
何よりも僕の患者たちの 瞳の美しさ
この偉大な自然の中で病と向き合えば
神様について ヒトについて 考えるものですね
やはり僕たちの国は残念だけど
何か大切な処で道を間違えたようですね
「風に立つライオン」にはモデルがある。さだまさしがアマチュアのころ、海外青年協力隊として三年間アフリカの貧しい無医村で医療活動を行った医師Sさんに出会った。そして彼が書いた一通の手紙を15年間もあたためて1987年に完成させた曲なのである。
引用部分からわかるようにS医師は当時付き合っていた恋人を残してアメリカに渡った。「風に立つライオン」の歌詞は、S医師が恋人に書いた手紙という形式をとっている。
1952年生まれの生まれのさだまさしは、経済の高度成長時代に少年期を過ごした。その後高度成長期の終わりごろにS医師の話を聞いた。そして、バブル経済の真っただ中の1987年にこの曲をリリースしている。
「風に立つライオン」は上記のような日本の経済発展と、S医師から聞いたアフリカの貧困を重ねている。引用した歌詞のうちの下の2行で日本の現状に疑問を投げかけている。
やはり僕たちの国は残念だけど
何か大切な処で道を間違えたようですね
自分は、2011年から2017年にかけて南アメリカを4回、アフリカを3回旅行した。そして今、この「風に立つライオン」の中の2行が頭の中をリフレインしている。
「マダガスカルにて」

(電気・水はあるのか?、でもお母さんを中心に子どもたちの笑顔が素晴らしい)
南半球からのニュースは、大きな天災や、政治クーデター、テロなどがあった時だけである。でも南半球を中心に経済格差は広がり、貧困問題は生命と関係するだけに深刻である。
・一日2ドル以下で生活している人が40%
・安全な飲料水が得られない人が17%
・電気が使えない人が25%
・読み書きができない人が18%
・5歳まで生きられない人が8%
先進国に住んでいる人は、このような事実を忘れている(知らない)人が多い。そして何といっても、 開発途上国に住んでいる人が80%
もいることに気づかない。
我々は何を学んできたのか。また、何を学ばせてきたのだろう。こう書いている今の一瞬にも命を落としている乳児がいる。なのに、先進国はクリスマスイブに浮かれている。
最近少し古いけど、下の本を読んだ。この本はただ統計学的なアプローチではなく、実際に生死の境に住んでいるような人々と暮らした経験を書いている。スラム生活者、路上生活者、物乞い、ストリートチルドレン、人身売買、売春など…。
「絶対貧困~世界リアル貧困学講義」

(新潮文庫:石井光太~2011年6月26日、「貧困学」とは筆者の造語である)
自分はここに書かれているような体験まではしていない。でも、貧困の中に置き去りにされている人々の姿は旅の中でたくさん見かけた。
経済のグローバル化は世界の経済格差を広げ、開発途上国は発展から取り残された。日本の「弥生時代」とAIやVRが注目を集める近未来が地球上に同居しているようなものだ。
経済発展は良いことだが世界をいびつにしてしまった。来年は少しでも世界の連帯と協調の機運が高まり、途上国の人たちに目があてられる時代の始まりとなるよう期待したい。
トランプ大統領や金正恩に注目が集まっているが、そんな時だからこそ一人一人が「豊かさ」や「幸せ」について考える時ではないかと思う。
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