眠れない夜のおつまみ

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2005/11/27
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カテゴリ: 小説
料理もデザートが出て腹も満足した。

時計はまだ7時半を指していた。夏の夜はこれからと言う感じだ。
いい雰囲気だから、恋人同士だったら行く場所は決まっているだろう。
だが、まだだ。
誘ったらきっとかおるは断るはずだ。
今週末にも会う約束をしているし、その時に落とせるなら落ちるだろう。

俺はいやらしい計画で頭が一杯になっていた。

「7時半ですね。まだ早いですよね。この後どこか行きます?」

一瞬俺は耳を疑った。
この言葉はどう捉えればいいのだろうか。
誘ってO.K.なのか?
いや、そんな簡単な女じゃないだろう。
しかし、大抵の女は・・・。



いや、よそう。



そうだ、馬鹿馬鹿しい。思い違いだ。
「まだ時間は大丈夫だけど。じゃ、カラオケとか、ボーリングとか・・・。どこか行きたい所ある?」
なるべく当たり障りないように聞いてみた。
すると
「やっぱり・・・帰ります。」

女心はやはり分からないものだ。
店を出て名駅に向かった。
セブン前のナナちゃん人形を通り過ぎ、名鉄を通り過ぎた所でかおるが口を開いた。
何となく無言のままここまで歩いていたのだった。
「今日は楽しかったです。」

そのまま2人はじわじわと額に浮き出る汗を感じながら歩いた。
かおるはJRなので、いいと言われたが改札口まで送った。
「今度の日曜日楽しみにしています。今日はありがとう。」
別れ際にそう言うと言葉は無かったが笑顔で手を振るかおるの目が輝いたように見えた。
そして俺も地下鉄の入り口へと向かった。
今日の名古屋駅に寂しさは感じなかった。

家に帰ると今日は両親の方が早く帰っていた。
「おかえり。哲哉。ご飯は?」
と母に聞かれると
「食べてきた。」
と言って自分の部屋に直行した。

俺は今日の出来事を考えていた。
かおるはもっと俺と一緒に居たかったんだろうか。
普通に考えてやはり・・・。
ミスったのだろうか、俺は。
でもいいじゃないか、日曜日がある。
日曜日の計画を立てなければ・・・。

「山にドライブ」

だったよな。
最近体調もさほど悪くはないし、ちょっと遠出も出来るかもしれない。
伊勢方面へ行くのもいいかもしれない。
パールロードや伊勢志摩スカイラインなんか走るのもいいかもな。

本当は一番好きな場所は奈良県の生駒山だ。
特に夜景が綺麗だ。
京都、大阪、奈良の夜景がぐるっと見渡せる。
意外にも今までに女と行った事は無い。
別に自分にとって大切な場所と言うわけでもない。
ただ、どうしようもなく気持ちがむしゃくしゃする時、あの夜景を見るとスッとするのだ。
だが、体調の良い時でなければ俺にとっては遠くて行けない。
今のこの調子なら行けない事も無いかも・・・と頭に過ぎった。
もしも、行けるなら行ってもいいだろう。
そう頭にインプットして土曜の夜を迎える事になった。

数日開いてかおるに電話する事に、俺は少し緊張しているようだった。
その間、お互いに電話もメールも無しだ。
かおるからメールぐらい来るだろう、と思っていたのだが、実はあまり脈が無いのかもしれない。
と、何だかがっかりした。

どうした事だ。
最近ナイーブじゃないか。かおるにイカレちまったのか?

もう一人の俺がせせら笑うように現れて、ゆっくり消えていった。

馬鹿馬鹿しい。
そんなに俺はすぐ熱くはならないんだ。
なんとも無かったように携帯からかおるを探してコールする。
5回コールでも出ない。
ほんの数秒なのにイライラする。
7回目で繋がる。
「も・・・しもし。」
かおるの声が震えていた。
「もしもし。かおるさん?」
「こんばんは。」
すごい鼻声だ。
「どうしたの?今、大丈夫?」
「ごめんなさい。大丈夫。」
もしかして
「泣いてた?」
一瞬の沈黙があってかおるが答える。
「何でもない。大丈夫。鼻炎症なの。」
何だか強がりに聞こえた。
「ねぇ。もう一度聞くけど、泣いてた?俺でよかったら聞くけど。」
「ううん。違うの、ほんと。」
そう押し切られてそれ以上は聞けなかった。
「明日、大丈夫?」
「うん。」
俺は一瞬考えて
「明日、ちょっと遠くまでドライブしよう。」
そうかおるに言っていた。



                              <つづく>



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Last updated  2005/11/28 02:17:07 AM
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