買書とつんどくの日々

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2009年01月04日
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付喪神(つくもがみ)とは、長い年月を経て古くなった対象(その多くは何らかの道具や器物であることが多いが、稀に動物などの生物も含まれるとされる)に、魂や精霊などが宿るなどして妖怪化したものの総称。

「付喪」自体は当て字で、正しくは「九十九」と書き、この九十九は「長い時間(九十九年)や経験」「多種多様な万物(九十九種類)」などを象徴し、また九十九髪と表記される場合もあるが、「髪」は「白髪」に通じ、同様に長い時間経過や経験を意味し、「多種多様な万物が長い時間や経験を経て神に至る物(者)」のような意味を表すとされる。


「付喪神記」(室町時代の成立)の冒頭に「陰陽雑記に云ふ。 器物百年を経て、化して精霊を得てより、人の心を誑かす、これを付喪神と号すと云へり」とある。

日本の風俗においては、古来より万物八百万(やおよろず)に魂(神)が宿る、とするアニミズム的な世界観が定着している(八百万の神、汎神論)。

付喪神もまたこの世界観に漏れることはなく、作成ないし誕生してより長い時間を経てその役目を果たし、あるいは単に長い年月を経て健在でありつづけた古物などには魂が宿り付喪神となるとして、これを畏怖し供養する、あるいは忌避するといった習慣・価値観は、日本各地に普遍的に存在するものである。

これらの価値観をもたらす合理的な背景としては、古道具などを大切に扱い手入れを絶やさぬようにという教訓的なものや、手入れの疎かな古道具を安易に用いることによる破損や事故の回避、長く身の回りの役に立ってくれた道具などに対する感謝の情などとして解釈される。

付喪神となりうる対象物は、およそ身の回りに存在する万物と言っても差し支えなく、人工的な器物や建造物の他、家畜や愛玩動物、樹木や地形などに対しても適用される例がある。付喪神となった物・者たちは、必ずしも人に災厄をもたらすとは限らないが、本来の器物としての範疇を越え、また人ならざる神として振る舞うようになるため、もはや本来の道具としての用に供することはなく、人を混乱させ時に恐怖させる妖怪や祟り神などとして語られる例も多く、このような典型例の一つとしては妖怪から傘などが挙げられる。

一方、魂が宿る以前に道具などとして丁重に扱われ、あるいは廃棄される際に供養されてきた器物が付喪神となった場合には、生前(?)の恩を所有者や使用者に返すなどした伝承もある。また粗末に扱ったり供養を絶やしたりした道具は付喪神となり祟るとする考えから、役目を終え廃棄される各種の道具などに対する供養を行う習慣につながるとする捉え方もある。

道具(や、一般に人格を認められることのない家畜・動物など)に魂が宿り意志を持つといった価値観は、戯画や漫画などの擬人化の一環として捉えることも可能であり、現に妖怪唐傘などは目・鼻・口・手足をもって描かれ、猫又などの動物をベースとする妖怪も広義の付喪神に含めることが可能であり、長命によって魂(人格)を獲得するとする図式に漏れない。これは山や川などのヌシなどの成立に際しても同様の構図を持つものであり、付喪神もまた日本古来よりのアニミズム的な価値観や、人格や生命すら持ち得ない対象でさえ時にこれらを獲得し得る、あるいはそのように見立て、解釈して楽しむといった擬人観が、普遍的な価値観としてこれらのベースに存在するということである。
(うぃきぺでぃあ)





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Last updated  2009年01月04日 06時57分45秒
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