買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2012年07月08日
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「平気で嘘をつき、人を騙すような価値観はいつから生まれたのか!」
検事が問いただす。佳苗は答える。
「私には分かりません」
検 事が投げる直球は、佳苗のふわふわしとした形のない柔かいものの中に包まれていく。佳苗のどこをどのように刺しても、芯が見えてこない。全くの空洞という 感じだ。でも正面切って、佳苗を見つめることはできない。空っぽに見える佳苗の中に、もしかしたら誰かがいるような、そんな怖さが、佳苗にはあるから。
(中略)
被害者となった男性の中には、佳苗を「気味悪く感じた」という人もいた。正しい直感だったのかもしれない。実際、逃げずに佳苗を信じ、佳苗に愛を求めた男たちは、眠るように亡くなっているのだから。
(北原みのりさん「毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記」P133)


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Last updated  2012年07月08日 18時47分30秒
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