買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2012年07月31日
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そういうことだったのか、という気がした。自分が良く知っている場所だけに、妙に腑に落ちる感じがした。そしてふと気づいた。
――こちらのほうが、本体だ。

(小野不由美さん「残穢」P283)



作者(小野さん)のところへは、全国から「怪談実話」が寄せられていて、その中の一つが、以前に報告のあったのと同じマンションを舞台にしたものであることに気づきます。

その土地で、昔なにがあったのかなど、原因を探っているうちに、話はどんどん発展して、ついに、日本のとある場所の「おおもと」の原因にたどり着き、そのマンションの「怪異」がそこから伝播したものであることを突き止めるのですが、最後は、その「おおもと」から別の土地に飛び火したところの惨状を見る場面で物語が終わります。

小野さんご本人をはじめとして、東雅夫さん、平山夢明さん、福澤徹三さんなどの作家さんも実名で登場する実話怪談のような形式をとっており、リアリティーがあるのかないのかよくわかりません。

本を読みながら、まず思ったのは、この本にも出てくる、清水崇監督の「呪怨」のことです。
ただ、あれほど怖く(禍々しく?)はありませんでした(笑)。

ところで、登場人物の一人である福澤徹三さんは、ブロンズ新社から出された「幻日」という怪談短編集でデビューしたのですが、これは、良質の幻想小説でもあって、僕が大好きな本でもあります。
現在、リライトされて「 再生ボタン 」というタイトルで幻冬舎文庫に入っていますが、ホラープロパーでない人にもお勧めできるものだと思います。
ただし、リライトされる前(僕はそれで読みました)のほうがよかった、という人もいるようです。


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Last updated  2012年07月31日 10時16分24秒
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