買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2012年08月13日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
薩摩守忠教(忠度)は、一の谷の西手の大将軍にておはしけるが、紺地の錦の直垂に黒糸をどしの鎧着て、黒き馬のふとうたくましきに、いッかけ地の鞍おいて乗り給へり。其勢百騎ばかりがなかに打かこまれて、いとさわがず、ひかへひかへ落給ふを、猪俣党に岡辺の六野太、忠純、大 将軍と目をかけ、鞭、あぶみをあはせて追ッ付たてまつり、「抑いかなる人で在まし候ず。名のらせ給へ」と申ければ、「是はみかたぞ」とて、府りあふぎたまへるうちかぶとより見入れたれば、かねぐろ也。あッぱれ、みかたにはかねつけたる人はないものを。平家の君達でおはするにこそと思ひ、おし並べてむずとくむ。これを見て、百騎ばかりある兵ども、国々のかり武者なれば、一騎も落あはず、われさきにとぞ落ゆきける。薩摩守、「にッくいやつかな。みかたぞと言はば、言はせよかし」とて、熊野そだち、大力のはやわざにておはしければ、やがて刀を抜き、六野太を馬の上で二刀、落ちつくところで一刀、三刀までぞつかれける。二刀は鎧のうへなればとほらず、一刀はうつかぶとへつき入られたれども、うす手なれば死なざりけるを、とッておさへて頸をかゝんとし給ふところに、六野太が童おくればせに馳来ッて、うち刀を抜き、薩摩守の右の可否なを、ひぢのもとよりふつときり落す。今はかうやとや思はれけん、「しばしのけ、十念唱へん」とて、六野太をつかうで弓だけばかりなげのけられたり。其後西にむかひ、高声に十念唱へ、「光明遍照十方世界、念仏衆生摂取不捨」とのたまひもはてねば、六野太うしろよりよッて、薩摩守の頸を討つ。
(「平家物語(三) 巻第九」P326)

このあたり、敦盛、知章など強い印象を残す討死が続きますが、中で、明石ゆかりの「忠教(忠度)最後」をメモりました。

61W1NYNJK7L._SX230_.jpg



なお、 近所の忠度塚 には、「平家」に出てくる、「旅宿花」と題された、

行きくれて木の下かげを宿とせば花やこよひのあるじならまし

という歌の碑もあります。


R0016963.JPG





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012年08月13日 08時15分42秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

shov

shov

Calendar

Favorite Blog

凶花 第十回 黒川… 鴨ミールさん

『つい人に話したく… ぴいたあ8888さん

読書案内No.215 今村… 吟遊映人さん

眠りの底で 無花果。さん
ミステリの部屋 samiadoさん

Comments

免疫力が低下@ Re:『ハウスメイド』買(10/11) 免疫力が低下については、 0896240183 を…
私はイスラム教徒です@ Re:『眠れるアンナ・O』買(08/14) 神神は言った: コーランで 『 人々よ、…
aki@ Re:聞いた曲(2024.1.20)(01/20) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
shov @ Re:「フラニーとズーイ」(メモ12)(07/19) ご訪問ありがとうございます。 記事読ま…
ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…

Free Space

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: