買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2012年12月24日
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顔を近づけると、すぐにわかった。たしかにどう見ても生き物ではない。内部構造の上に皮膚をかぶせ、本物そっくりの針毛を表面に埋めこんだ人工物だ。
「機械動物は禁止されたと思っていたけど」
「これはメカアニマルではありませんわ」
「鉄は使われていないの?まあ、驚いた」アレクシアは素直に感心した。
(中略)
「すばらしい技術だわ」アレクシアは小型ヤマアラシの観察を続けた。両耳の後ろに小さな留め金がついており、押すとパカッと開いて脳みそ部分の内部構造が現われた。
「これが本物のアフリカのゾンビだったら、はるかに危険だったでしょうね」アレクシアは人造の骨を軽く叩いた。「驚いたわ。ウェストミンスター群のことだから必要な使用許可証はすべて特許庁に申請したんでしょう?この技術が王立協会の小冊子に発表されていないところをみると、製作者はおそらく伯爵夫人のお抱え科学者ね。これは磁場破壊フィールドに対抗するために設計されたの?」よく見ると、陶器と木でできた稼動部分は紐と腱で固定され、すべりをよくするために黒いロウ状の液体が使われている。最初に襲われたときはこれを血と勘違いしたが、こうして見ると「ヒポクラス・クラブ」製の自動人形(オートマトン)に使われていたものとまったく同じだ。
(ゲイル・キャリガー「アレクシア女史、女王陛下の暗殺を憂う」P288)


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Last updated  2012年12月24日 11時53分06秒
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