買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2016年09月15日
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私は、皆の脳が想像する普通の人間の形になっていく。皆の祝福が不気味だったが、「ありがとうございます」とだけ口にした。
夕勤の女の子たちにも挨拶をして外に出た。外はまだ明るく、けれどコンビニは空からの光よりも強く光っていた。
店員でなくなった自分がどうなるのか、私には想像もつかなかった。私は光る白い水槽のような店に一礼し、地下鉄の駅へと歩き始めた。
(村田沙耶香さん「コンビニ人間」P134)




村田さんは、「生きにくさ」について、ずっと語ってこられたと思います。時には、鬼面人を驚かすような設定を用いてでも語ってこられたと思います。
そんな中で、今度はコンビニです。

「古倉さん」がコンビニを辞めざるを得ない状況に追い込まれてしまったあと、もはや不安しか感じなかったです。このぼんやりした不安の末に、僕は死んでしまうのではないかと思いました。

等身大の設定ともいえる、この小説の後、村田さんが、どのような設定での小説を書かれるのか、とても興味があります。

ところで、芥川賞の選評で、村上龍さんが、この作品のことにしか触れられてなかったのに一番驚いたんでした。







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Last updated  2016年09月15日 07時12分57秒
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