生きている証明書

生きている証明書

2026.05.15
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カテゴリ: 俳句
​20260515FRI

      大学も葵祭のきのふけふ   田中裕明(1959-2004)

 京都葵祭の日。
 午前中は京都御所を出発した行列は下賀茂神社へ向かう。
 行列は勅使列と斎王代列などからなるが、腰輿(ようよ)に載った斎王代の列が人気である。
 早朝からの衣装合わせや鬘合わせなど大変なひと時のようだ。輿に載る斎王も大変だが、平安時代の装束で長い道を歩く女儒(にょじゅ)なども重労働だ。
 それより、輿を担いだり荷物を持ったり女儒に大きな傘をさしかけて歩いたり、馬や牛車の手綱を取ったりする男子アルバイトの白丁も大変な作業であるに違いない。
 昼食休憩の後、行列は下賀茂神社を出ると上賀茂神社に向かう。午後をかけての上り道である。ただし、鴨川沿いで並木道、その古都の中をゆっくり進む行列は見事。ただし、御所から下賀茂神社までの都会の中の行列進行ほど観客もいない。

 アルバイトは京都大学の学生だと思う。京都にいくつかある祭りごとに、それにかかわるアルバイトの学生の大学が決まっているようで、先輩が後輩の世話をしたり、それらを取りまとめたりするベテランが更にいたりという話だ。
 掲げた句は、ここいらも含めて大学生の祭りの参加なども頭に入れたものとして捉えるのではないか。
 アルバイト代が十分だといいが、そのあたりはどうなのだろう。

 作者の田中氏は京都大学出身という。或はアルバイトとして葵祭を実際に体験されていたのかも知れない。有名な企業に採用になり活躍が期待されていた俳人で、早世していることを惜しみたい。
。。。。。。。。





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Last updated  2026.05.15 09:06:40
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