青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2022.02.27
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テーマ: 在宅介護(1564)
ふと思い出したので書いておきます。

私が小さい頃、昭和40年代の話です。

母と日本橋のデパートに行ったら
閉店日で閉まっていました。

当時のデパートは平日に閉店日があり、
その近辺のデパートは閉店日が重ならないように
順番にお休みをとっていたので、
買い物に出ると「あ、○デパートは今日休みだった。
じゃあ△デパートに行こう。」


日本橋のデパートって間口が広くて立派なんですが
その閉まったシャッターの前に
腕や足を失って松葉杖や車椅子を側に置いた
軍服姿の兵隊さん達が座っていて
トランペットなどの楽器を奏でて
募金活動をされていました。

賑やかな街中で、立派な建物の前で
音楽は賑やかなのですが、軍服は古びて暗く
兵隊さん達もお年を召して疲れた感じで
そして何よりその方達の腕や足がなくて
とてもショックでした。


お洒落をした戦後生まれらしい女性達が
「嫌ね~」とさけずむように
兵隊さん達を一瞥して行ったので
ますますショックでした。

母は、私にお札を渡して

そこに置いてある鍋のような容器だったと思いますが
入れてくるように、と言いました。

私はどうしたらいいかわからなくて
おどおど募金箱のところまで行ったのですが、
お札だったのでなかなか募金口に入らず
子供なので上手く入れるすべも知らず、
時間がかかってあせってしまい、
入れた後も兵隊さん達にお辞儀をすべきか
どうしたらいいかわからず
早足で母の元に戻りました。

走ったら失礼かと思いながら
でも早くその場から戻りたく、
どうしようと思ったのも覚えています。

私は戦争の復興がすっかりすんだ
高度成長期のまっただ中で生まれ育ったので
戦争の話は昔話としかとらえていませんでしたが
考えてみると戦争は
まだ30年も経っていなかった頃の話だったのです。

あのとき音楽を奏でていた兵隊さん達も
20代30代で戦地に行かれても50代60代になり
軍服もその年月分古びたのでしょうが、
ずっと戦争の悲惨さを伝えようと
嫌な思いも大変な思いもされながら
がんばってこられていたのだと思います。

戦時中、母は10代で
母が通っていた学校のすぐ隣には
旧制男子校があったそうです。

晩年、母に学生時代の話を聞くたび、
「隣の学生さん達は皆とても優秀な人達だった。
あのあと皆戦争に取られたんだろうけど
元気でいらっしゃるだろうか」
と心配していました。

誰か特に知っている人がいたのか、
話や挨拶をした人がいたのか聞きましたが
当時の10代の若者達は
お互い視線を合わせることもなく
真面目に通学していたようです。

でも10代だから
セーラー服の女学生がすれ違ったら
やっぱりちょっと気にはなっていたんでしょうけど、
それぞれ将来を夢見て真面目に勉強していたのに
10代でも少年兵として強制的に戦争に参加させられ
苦労されたんだと思います。

苦労なんて生やさしい言葉じゃ表されない方も
沢山いらっしゃったと思います。

日本の傷痍軍人会は会員数の減少と高齢化で
2013年11月に解散されたそうです。
それで傷痍軍人という言葉も
ずいぶん聞いていないんですね。

遠い過去のものになっているという事は
戦争とは無縁の時代だという事でもあるので
その部分はとても良い事ですが、
過ちを繰り返さないためにも
そういう事実は語り継がないといけないと思います。

傷痍軍人会は解散したので寄付はできませんが
私は年末に社会鍋を見かけたら
少額でも何かしらの寄付を心がけています。

誰かが寄付すると、あ、自分もしようと
次の人に続きやすいと思うので
行動に起こすのが大事だと思うんです。

追記:

傷痍軍人の募金活動は白い浴衣姿で行われ
募金箱は箱の形をしていたようです。

確かに私は小さい頃
白い浴衣姿の方たちの募金活動も
お見かけした記憶がありますが、
私が覚えているのは軍服姿で楽器を奏でる方達で
このブログの話の後も
何度もお見かけしています。

もしかすると社会鍋関係だったのかもしれないし
軍服姿で行っていた方たちも
いらっしゃったのかもしれません。

今、ウクライナのニュースを
遠い国の事として見ているけれど、
ほんの7~80年前、
日本も焼野原になって
同じ思いをしていたことは
伝えていかなくてはいけないことだと思います。


追記 2025年8月

SNSで傷痍軍人の募金活動を
覚えていらっしゃるという方たちの半数かそれ以上が
親等が「あれは詐欺だ」
「恩給が出てるから募金活動をする必要はないはずだ」
「人が見ていない所ではすたすた歩いている」
「傷痍軍人のふりをしてる戦争に行っていない一般人」
などと言っていて、
傷痍軍人の募金活動を忌み嫌っていたと書いていました。

傷痍軍人の募金活動は傷痍軍人会という
ちゃんとした組織で行っていたので
詐欺ではないのに、心ない人、口が悪い人、
恩給が出るのをねたむ人たちがそんなに多く、
さぞ苦労をされながら行っていたんだなと思います。

恩給が出たって心身障害をもつと仕事も限られて
生活が大変だったかもしれませんし、
傷痍軍人の募金活動は単なる募金活動ではなく
戦争の悲惨さを訴えようと
晒し物のようになっても、心ない「詐欺だ」等の
暴言をはかれても、行っていたのだと思います。

私はあちこちで募金活動の方たちを見ていますが、
腕がなかったり足がなかったりの方たちでした。
この方たちを詐欺呼ばわりするなんて
どういう神経なのかと思います。




画像をクリックすると詳細が見られます。





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Last updated  2025.08.18 20:10:25
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