青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2026.10.13
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カテゴリ: 母
もう何十年も前の話ですが、
一人暮らしを始める際、母が家に来やすいように
実家近くの街の不動産屋さんを数件回りましたが
なかなか良いところが見つかりませんでした。

それで不動産屋さんを探して歩いていたら、
ちょっと目立たない場所に
おしゃれな工務店がサイドビジネスでやっている
広くて綺麗なビルの一階にある
販売を中心にした不動屋さんがありました。


広いロビーのようなお店の奥に
椅子が向かい合わせに置いてある大きな事務机が一つあって、
そこの男性が「しばらく座って待っていてください」と言い、
電話で別件の仕事の話をしはじめ、
その電話が全然終わらないんです。

小一時間、大きなテーブル状の机とは言え、
男性と向い合せの椅子に座ったまま待たされ、
当時はスマホもない時代ですることがないので、
机の上に置いてあった
小亀の水槽というかあそび場みたいなのを
ずっと眺めていました。


その会社に該当物件はないけど、
知っている所に当たってみるから、と言い
また電話をかけしばらく話した後、
別の街にある不動産屋に今から行くようにと
言うのです。


その紹介してくれた不動産屋さんの物件が
どんなところか知らないし、もう夕方だし、
今から知らないところに行くのも…と思ったんですが、
せっかく好意で紹介してくれたのだから、と
言われるがまま、電車で別の街に行きました。

紹介された不動産屋さんは駅から遠い
路地裏のような商店街の中にある
古い小さな不動産屋さんで、
正直、あのきれいな大きなビルのお店と
どういうつながりがあるのかわかりませんでしたし、
私なら見つけることはない、もし通りかかっても
寄らないだろうなという不動産屋さんでした。

その日見せてもらったお部屋は
予想に反して新しく綺麗で広くて良かったので
翌日位に母にも見てもらってから
借りることになりました。
昼間見ると最初に見た時より明るくて、日光がよく入って
広々として、良い雰囲気がしていました。

入居初日、その日はまだ引っ越し荷物は
運んでもらわずに、母に手伝ってもらって
手持ちの物だけ運びこんだんですけど、
母は新しい雑巾を持参して、
「清掃が入っているから
そんなに拭かなくて大丈夫」と止めても
丁寧にあちこち拭いてくれました。

母は優しく丁寧だったな、良くしてもらったんだなあと
今頃気がついています。

それから、私はそう思ってなかったけど、
思い出せば思い出すほど、母は几帳面できちんとしていて、
綺麗好きだったなと思います。

掃除などしていたら夕食の時間になり、
近くのレストランを探すと
韓国料理店がありました。
他にお客さんがいなかったせいか、
店主が、サービスですと、頼んでいないお料理も
3皿位出てきて、申し訳ないからと私達も追加注文し、
すごいご馳走になって、
ニコニコ顔の母と一緒にゆっくり食事を楽しんだのが
楽しい思い出になっています。

あのときの母は若くて元気でした。
その母を思い出せるのは幸せです。






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Last updated  2026.10.13 00:10:07
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