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2004年07月08日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 「何?もうけんかしたの?」
 「ううん。今夜は出張で帰ってこないから」
 「へぇ、一人で寝られないんだ」
 「そんなんじゃないよ。母さんの顔を見に来たんだよ」
 嬉しそうに摺りよってきた。
 「ちゃんと学校行ってる?」
 「行ってるよ」

 「してないよー」
 まだまだ幼稚な妻もどき。
 わたしは彼に申し訳なさを覚えた。
 でも、長女が唯一、素直になれる相手なのだから、助かっている。彼が軌道修正してくれたから、こんなに穏やかで幸せそうな顔をしているのだ。
 「食事は?」
 「まだ学生だから良いって。卒業したらちゃんと作る約束してるんだ」
 「そう」
 「勉強を最優先にしろって」
 「それじゃ、彼にとってあなたは相当負担になってるわね」
 「そんなことはないよ」

 本音を言えば、同棲には抵抗があったけど、わたしはどこかほっとしている。

 その彼女が、二本の足で大地を踏み、ちゃんと前向きに、ひたむきに生きようとしている。
 よかった、本当によかった。

 「どうする?横に寝る?」
 「うん。寝る、ねる」

 「わぉ。※みまりんの匂いだ」(※わたしへの愛称)
 幼子のように、べったりと甘える。
 「ねぇ、これって里帰り?」
 「うん、そう」
 そして、満面の笑みを返した。

 でも、みんなみんなおままごとのようだ。
 彼女にしても、わたしにしても。
 だけどいいじゃない、と思う。
 こんな小さな幸せが、再び頭上に舞い降りて来たのだから。

 修羅を潜り抜けたからこその、喜びであった。





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最終更新日  2004年07月08日 10時51分59秒
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