PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

紫苑(しをん) @ Re[1]:日々の出来事(11/24) しの〜445さんへ 本当にご無沙汰していま…
しの〜445 @ Re:日々の出来事(11/24) おはようございます。☀ 今日の三重は快晴…
しの〜445 @ Re:カウントダウン1825(10/07) 紫苑さん、こんばんは~☆彡 何気なく、過…
紫苑(しをん) @ Re:ともだち(02/01) ものすごい亀レスでごめんなさい。 美味し…
しの〜445 @ Re:ともだち(02/01) こんにちは~☀ 私もそう思います。 学生…
2005年02月04日
XML
テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay


 今日から暦の上では春である。

 庭に下りたら、沈丁花の紅い蕾がやや丸みを帯びていた。
 義母はどういう訳か、沈丁花を次々と挿し木をしては増やしていた。
 それほどに好きな花だったのだろうか。
 それとも単純に増やすことが楽しみだったのだろうか。
 義母が家を出てからも、この花は何度も咲いた。 
 少し気温が緩み始めたら、一気に芳香を放つのである。
 その香りを楽しみながら、義母の気持ちに添えなかったことが頭を過ぎるのであった。


 なぜだか運気が下降線を辿る。
 寒さが心の中まで凍みてしまうのか……。

 そんな時、梅が開いた。
 薄桃色や白い花を見るとき、気持ちがほっとする。
 殺風景な景色が急に華やいで、春の訪れを教えてくれる。

 「春の来ない冬はないよ」
 実母の口癖だった。
 落ち込んだ時は、この言葉を噛み締めた。
 「ね、一雨ごとに気温は緩んで、暖かくなるでしょ?」
 実母は絶対に振り向かなかった。
 前へ前へと歩を進めた。


 空元気だけがからから空回りするけれど、
 沈丁花が一気に花開いたら、本当の春はやって来る。


02/02/04(月) 00:03 紫苑





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年02月04日 12時30分25秒 コメント(8) | コメントを書く
[Essay] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: