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2005年04月09日
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テーマ: 吐息(401)
カテゴリ: Essay

 陽射しが急に翳って、少し肌寒くなった。
 念のために持参した上着を、羽織ってちょうど良い。
 北鎌倉は、東慶寺の山門をくぐった。
 庫裏入り口の枝垂れ桜を思い出したからだ。
 わたしはまだ一度も満開に出くわしたことがなかったのだけれど、
 枝ぶりを見て、これに花が咲いたらどんなに素晴らしいことかと、
 今年こそは、と心待ちにしていたのだ。


 緑の新芽がすでに鮮やかだった。 
 ああ、またも見損なったか……。
 「今年も遅かりしよ」
 「母さん、この枝ぶりを見ただけでも、咲いたときの妖艶さが目に浮かぶよ。
  これは素晴らしい。是非、来年も来ようね」
 長女と約束をしながら、彼岸桜であることをすっかり忘れていたのだ。
 わたしは、それを忘れては毎年同じことを繰り返していた。

 「次は?」
 「浄智寺」
 瀟洒な山門の向こう側は、春爛漫の花盛りであった。

 「本当だね」
 自分の現金さに、思わず苦笑した。
 足元には大好きなシャガの花が、蜆蝶の趣でここにもそこにも咲いている。

 「もう一箇所行けるよね」

 「海蔵寺」
 「あ、境内にカイドウがある寺よね」
 もう、何年になるのだろうか。
 そこは、まだ高校生の長女と一緒に訪れた寺である。

syaga





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最終更新日  2005年04月11日 22時03分35秒
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