単車にまつわるエトセトラ

単車にまつわるエトセトラ

2005.12.27
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カテゴリ: 仲間達
 あれは、長女チロリンが二歳の頃、仕事を終えて家に帰り二人で風呂に入っていた時のこと。

ひとしきりはしゃいで、しっかり温もり、そろそろ出るかと湯船で立ち上がって、チロリンと両手をつなぎオラウータンのような格好で引っ張りあげようとしたのだが。
力の入れ加減を失敗した。
どうやら右手を脱臼したようで、チロリン火の出るように泣き出した。

時間は夜の九時、僕はためらわず旧知の骨接ぎ屋のおっさんに電話をかけたのだが、電話に出たのは高校生の長男で
「父さんは今日もお酒を飲みに行きました!」
と言う。
次は僕も行きつけのその居酒屋に電話し、
「マスター、おっさんおるやろ!、チョットの間、酒は与えんといて!」

チロリン肩の辺りは触れないので、おしっこスタイルとでも言うのか、前向きにお尻を抱え込んで抱きしめ走った走った。

余談になりますが、金城一紀さんの小説に「フライ・ダディー・フライ」ってのがありまして、その中で主人公の鈴木一郎さん、病気になった娘を抱えて走った時の自分が今までで一番輝いていたんだ!っていうクダリがあるんですが、それを読むたびに僕は、自分までリンクして涙しちゃうんです。
この小説はホンマお勧め、映画にもなりましたが、断然小説の方がぶっちぎりで面白い。

居酒屋では少し酔っ払った骨接ぎ屋のおっさんが、キッチリ待ってくれていた。
店の前の路上で、泣き続けていたチロリンを立たすと
「う~ん、ただの脱臼やな!」
と言って、右手をゆっくり動かし整復動作を一回、すると娘はとたんに泣き止んだ。
酔っ払いでもさすがプロ!鮮やかなもんである。
その後、よくがんばった!と、反対に近くの洋菓子屋でチョコレートケーキまで買っていただき、そいつをひざに乗せてニコニコで帰りの電車に揺られていた。

とっても寒い冬の日でした。





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Last updated  2005.12.27 08:48:37
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