殿上人日記

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2012年11月29日
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カテゴリ: 旅のいろいろ



今日も娘のアパートにいたりする。そろそろ家に帰る
つもりだけど、あまりの寒さにコタツ虫。どうせ家に
帰ってもコタツ虫なんだろうしなぁという開き直り! 

やっと慣れたと思った仕事場から離れて、また1から
仕事や人間関係を築くストレス娘が、明るい部屋へと
帰れば、暖かなご飯をはいどうぞっ!




って感じの今週だった。それにしても一昨日、昨日と
寒かった。雪に慣れている北海道ですら大停電で町は
大混乱。ブログでも北海道の方とかいらっしゃるけど
皆様、大丈夫でしたか?

娘のところも雪が降りました。車もガチガチに凍って
いたし。洗濯物も凍るくらい。雪は少ないといえども
寒さは負けないですから




フー!と部屋の中で息を吹いても白くなり、防寒具は
手放せず。こんな寒い日は温泉!といきたいところだ

そんな訳で旦那と出かけた、11月中旬の若狭の旅は
まだ初日の午後。小浜から舞台は舞鶴へと移ったけど
2泊3日の旅だったし、今年のうちに旅を紹介しきれる
かなぁ~




さて、この舞鶴市内のお寺は、関西花の寺第三番霊場
「鹿原山慈恩寺金剛院」で、細川幽斎(藤孝)が植樹を
したという境内の楓が有名で、「丹後のもみじ寺」とも
言われる真言宗東寺派の名刹である




平城天皇の第三皇子である高岳親王が、嵯峨天皇の皇太子と
なりながら、薬子の変に連座し皇太子位を廃されてしまった後
弘法大師空海の弟子となって修業し「真如法親王」と名乗り
弘法大師の十大弟子の一人ともなった

「入唐求法」を朝廷を申し出て、親王の一行は大宰府を出帆し
貞観6(864)年に長安に到着したそうだが、当時は武宗の
仏教弾圧政策で、仏教は衰退をしていたそうだ




親王は天竺行きを決め、翌年に唐の皇帝の勅許を得て、従者の
3名と広州より海路で、天竺を目指して出発したが、その後の
消息は絶たれた。一説によれば、羅越国(マレー半島の南端)で
虎の害に遭って亡くなったそうで、マレーシアの日本人墓地に
親王の供養塔があるそうだ




そのような高岳親王(真如法親王)が、白鹿の導きでこの地を
訪ねられて、天長6(829)年に高野山から弁才天を勧請し
創建したのが、「金剛院」であり、高岳親王お手植えと伝えら
れる千年榧もあるそうだが、まさかの写真撮り忘れ!?




「波切不動明王」とは、唐からの帰国時に嵐に遭遇をした空海が
祈念すると舳先には不動明王が現れて嵐を沈めたという逸話から
であるそうだが、白河天皇(大河では伊藤四朗が妖演)のご病気
平癒の祈願で、若狭から勧請された波切不動明王の霊験で平癒を
したそうである




喜ばれた白河天皇は、永保2(1082)年に、荒廃をしていた
金剛院を復興し、天皇・上皇の発願により、国家鎮護や皇室繁栄
などを祈願する「勅願寺」とし慈恩寺の寺号を下賜し、三重塔の
建立の勅命を下し、真如法親王を追善供養したのだとか

三重塔には真如法親王の木造が安置されていた




鳥羽上皇の皇后で近衛天皇の生母である藤原得子、後の美福門院
(大河では松雪泰子)の帰依もあり、平忠盛(清盛の父親。大河は
中井貴一)を造営奉行に任じ、阿弥陀堂を建てさせたそうである




その後の武家社会においても藩主など信頼も厚かったそうで、室町
時代に再興された三重塔など、国の重要文化財に指定された寺宝も
幾つか残されている

そして時代も下って・・・・




話は飛ぶが、京都の世界遺産にも登録された「鹿苑寺(金閣寺)」が
昭和25(1950)年7月2日未明に放火され炎上。昭和30年
(1955年)に再建をされたものであると、知らない日本人も多いの
かもしれない

このショッキングな事件は、福井県大飯町で生まれた水上勉が舞鶴市で
教員をしていた頃に、実際に犯人と会っていると著書の「金閣炎上」で
述べ、代表作の「五番町夕霧楼」においても題材にしている




そして近代日本文学を代表する傑作の一つと見なされ、海外においても
評価が高い三島由紀夫の「金閣寺」も、金閣寺放火事件が題材とされて
金閣寺の美にとりつかれた主人公が放火に至る経過が、観念的に描かれて
いるそうだ

この犯人の林養賢であるが、舞鶴の寒村の禅宗寺院の子として生まれて
金閣寺の見習い僧侶となり、大谷大学の学生でもあった




フィクション部分も大いに取り入れられた三島由紀夫の「金閣寺」では
ここ金剛院も小説の舞台に登場をしている。あまりに昔に読んだので
その小説の内容も忘れてしまったのだが、ネット検索によれば主人公が
思春期の頃に出会った有為子のエピソードに出てくるお寺であるそうだ

彼女は海軍の脱走兵と海軍病院で親しくなって、子供が出来て病院を
追われてしまった。彼女は脱走兵をこの金剛院のお堂に匿っていたが
憲兵に捕まって囮にされてしまった




憲兵に誘い出された脱走兵は、自分を裏切った有為子に拳銃を発射し
自らにも発射し最後を遂げたそうだ。そんな壮絶な舞台であったのか
(三島のフィクションですが)

 >有為子一人が、石灰石の百五段の石段を昇って行った。
 >狂人のように誇らしく。・・




金閣寺の主人公は友人からから金を借りて、金閣寺から家出をし舞鶴に
向かい、日本海の荒れる海を眺めながら「金閣を焼かねばならぬ」と
いう想念を抱き、由良の宿で不審に思われて警官に連れられ金閣寺に
戻されたとされる

                  この写真のみ翌日撮影。由良の浜で




なんて歴史と文化の薫る舞鶴の美寺院を後にして、まっ舞鶴といったら
ここは外せないなんて観光場所(次回、まとめて紹介)もまわってから
ラストに立ち寄ったのは、観光客にも人気のグルメな「道の駅」である
「舞鶴港とれとれセンター海鮮市場」だぁ




この時期、なんといっても日本海はズワイガニ!! 取れた漁港により
カニの名前も違ってブランド化し、舞鶴の底曳網漁船によって獲れた
ここのは、特許庁の地域団体商標を取得し「舞鶴かに」で売っており
その姿と味の良さ、高級感から冬の味覚の王者とされているそうだ

PRキャラクターの「チョキまる」や、PRソング「舞鶴かにカニ♪」
なども誕生しているのだとか




無論、そんな高級なブランド蟹はとても食べれないという、庶民の為
なんでも、海外産ずわいがにの舞鶴かに仕立てってものまでも・・・・

良く聞く「松葉ガニ」というものは、山陰(島根、鳥取、兵庫、京都)で
水揚げをされた「ずわいがに」の総称だそうで、この舞鶴蟹の他にも
間人蟹や、津居山蟹とか個別ブランドがいろいろとある




まっ、カニよりもお酒が私はいいや~! って感じでご当地
日本酒のパッケージを見ていて・・・、酒呑童子! 京都を
荒らしまわった酒呑童子も丹後の出身なんだと、旦那が驚く

どうやら京都の嵐山奥あたりに、大江山があると思っていた
いたようだ




大江山の鬼退治の歴史も古く、酒呑童子以前にも・・・古事記には
崇神天皇の弟である日子坐王(彦坐王)が、土蜘蛛の陸耳御笠を
退治したとか。また後に聖徳太子の弟の麻呂子親王(当麻皇子)が
英胡、軽足、土熊を討ったといい、最後に源頼光と頼光四天王が
酒呑童子らを討ったという鬼退治




ここ丹後地方は日本海に面しており、古くより大陸との交流があり
金属精錬技術を持つ渡来人らの技術や富を収奪し、支配下に置こうと
した中央政権が、自分たちの行為を正当化する為に、土蜘蛛や鬼を
退治したという伝説を作ったと思われる




                 平成24年11月15日に舞鶴市内で撮影





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最終更新日  2012年11月29日 21時35分07秒 コメント(55) | コメントを書く


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