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2011.02.22
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カテゴリ: 読んだ本
1984年10月 徳間書店より

これまで、宇宙は、帝国と同盟とフェザーンの勢力バランスによって微妙な均衡を
保っていたが、今、フェザーンによってその力関係が決定的に覆されようとしていた。
フェザーンは力を失いつつある同盟を見捨てて、帝国のラインハルトに荷担することを
決意したのだった。彼等は帝国に潜入し、皇帝を誘拐したうえ、同盟に亡命させる計画を
たてた。そしてそのことを、ラインハルトは容認した。ここに、帝国とフェザーンの
密約がなったのたが、ひとり同盟だけは何も知らずにいた。
この危機に、はたしてヤンは・・・!?

(表紙裏 紹介文より)


フェザーンは帝国のラインハルトと手を結ぶため、元帝国貴族をそそのかして
皇帝(7歳)を誘拐し、同盟に亡命させることを計画します。

全宇宙を手に入れて自身が皇帝になりたいラインハルトにとって、皇帝は邪魔。
かと言って殺してしまったら幼児殺しの汚名を後世まで残すことになる。
しかし元帝国貴族が誘拐して同盟に亡命すれば、ラインハルトは
「皇帝を誘拐して専制政治を復活させようとする旧貴族を討つ。それを助ける同盟も討つ」
という名目で、同盟に攻め入ることができる。


フェザーンと協力するラインハルトの方は、フェザーン回廊の通行権を得る。
イゼルローンを攻略せずとも同盟領に攻め入ることが可能になるわけです。

ラインハルトとフェザーンは互いの思惑を全て承知の上で、手を組みます。
そして決行される誘拐と亡命。
帝国軍の大侵攻が始まる! という巻です。



これ以降は後の自分のための覚え書きとなり、当然ですが全てネタバレとなります。
ご注意ください。



















旧貴族達のテロからアンネローゼを守るため、アンネローゼの暮らす山荘に
護衛が付けられることになりました。
その了解を得るため、姉・アンネローゼに会うことのできないラインハルトに代わって
山荘に向かったのはヒルダ。
ヒルダとアンネローゼが初めて出会いました。
キルヒアイスの人生を奪ってしまったと自分を責めるアンネローゼは、

それを、ラインハルトのためにと説得するヒルダ。
アンネローゼは「弟をそんなに思いやってくれてありがとう」と護衛を受け入れます。
姉として弟を想ってくれる存在に感謝したのと、
女性として想う人のために必死なヒルダの気持ちを汲んだのと両方かなあ。
この2人は女性同士、仲良くなって欲しいです。



ランズベルク伯アルフレット

ロマンチストで「皇帝をお救いする」という夢を描いて誘拐の主犯となる。

レオポルド・シューマッハ
元銀河帝国大佐。貴族連合軍の参謀を務めた。敗戦後、部下を率いてフェザーンへ
亡命していたが、部下の生活をケッセルリンクに脅迫されて、誘拐に参加。
まっとうな常識人。

この2人が誘拐の直接当事者。
シューマッハの方はフェザーンのケッセルリンクに脅されて、
いろいろ裏があるのをわかっていながら断れず、しぶしぶ参加。
常識人で、すごくいい人なんですよ。
ランズベルク伯が楽しく夢見ているのを馬鹿にもせず、
伯の無邪気さをむしろ好ましく想って、その夢を守って協力してくれる。

誘拐される皇帝は、癇癪持ちで乱暴な、どうしようもない子供です。
これはラインハルトの指示で、皇帝の全ての要求が叶えられており、
わがままで駄目な子供に育っていたからです。
誘拐に行ったシューマッハが、皇帝の教育係に発見されそうになってピンチの時なのに
思わず「どんな躾をしているんだ!」怒鳴りつけたくなったというのが笑えた。
この人、本当にいい人。(^^)


で、予定通り皇帝は誘拐され、同盟へ亡命。
帝国正統政府を名乗りたいと言うのを、同盟政府は受け入れてしまいます。
そして、帝国正統政府はメルカッツ提督を軍務尚書として指名。
イゼルローンから取られてしまいます。
更には、同盟政府はユリアンをフェザーンの駐在武官として指名。
ユリアンもイゼルローンを離れることに。

さて、計画通りの展開で、さっそく宣戦布告をして大規模軍事行動を起こすラインハルト。
作戦名は「神々の黄昏(ラグナロック)作戦」。
ロイエンタールが陽動役でイゼルローンへ侵攻し、その間にミッターマイヤーが
フェザーンを制圧します。

ロイエンタールの方は実に整然と艦隊を操り、ヤンも苦戦気味。
そこで「隙のない一流の戦術には、むしろ二流の戦術で対抗」というわけで、
ヤンの旗艦であるヒューベリオンを囮(ヤンは乗っていない)にして、
進んできたロイエンタールの旗艦トリスタンに、戦艦をぶつけてシェーンコップが乗り込み
白兵戦をしかける、という展開。
ロイエンタールとシェーンコップの一騎打ちとかありました♪
でもロイエンタールが意外に強くて、白兵のプロであるシェーンコップと同等って
いうのが、ちょっと不満。
もっとシェーンコップが圧勝って感じだったら良かったなあ。
と言っても、ここでロイエンタールに死なれちゃっても困るんだけども。

ミッターマイヤーの方はあっさりフェザーンを制圧してしまいました。
ユリアンは駐在武官としてフェザーンにいましたが、駐在事務所にあるデータを消去し
帝国軍に渡らないようにして逃亡。
ここから頑張ってイゼルローンに帰らなくてなりません。
イワン・コーネフの従兄であるボリス・コーネフのベリョースカ号が協力して
くれるみたいだけど、これからドキドキです。



その他には、フェザーンの権力闘争の様子が描かれました。

アドリアン・ルビンスキー
フェザーンの第5代自治領主。フェザーンの黒狐。

ルパート・ケッセルリンク
ルビンスキーの補佐官であると同時に、ルビンスキーの私生児。父親を憎み、
その地位を狙っている。

ボルテック
ルビンスキーの補佐官であり、帝国首都オーディンにいるフェザーンの弁務官。
ラインハルトとの交渉で失策を犯して以来、密かにラインハルトに協力して
ルビンスキーの地位を狙う。


自治領主の座を巡って三つ巴の感がありますが、帝国によるフェザーン制圧の際に
ケッセルリンクはルビンスキーを殺そうとして返り討ち。
何だか親子の複雑な感情のやりとりがありましたが、どちらも陰謀術策に生きる
他人を道具のようにしか考えていない人達だから、「ふーん」という感じで
特に感銘も受けませんでした。

ボルテックは、誘拐の話をラインハルトに持ちかけて有利な交渉を進めようとしましたが、
逆にラインハルトに全てを見透かされて、かつフェザーン回廊の通行権まで
約束させられてしまいます。
それが本国の指示ではなく自分の判断だったので、ルビンスキーに知られたら
粛正の対象になってしまうと、フェザーンを裏切り個人的にラインハルトに付くことに。
この人も近いうちに退場の予感。

今のところ一人勝ちな感じのルビンスキーですが、彼も地球教の支配下にあるっぽい。
変質した宗教ってホント気持ち悪いですね。





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Last updated  2011.02.23 12:41:58
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