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2019.05.14
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琅琊榜之风起了长林 Nirvana in Fire II




甘州(カンシュウ)での大戦で深傷を負った蕭平章(ショウヘイショウ)。
兄の痛ましい姿を見た蕭平旌(ショウヘイセイ)は取り乱して済風堂堂主・林奚(リンケイ)に八つ当たりし、部屋から追い出されていた。
やがて日も暮れる頃、済風堂の黎(レイ)老堂主が到着する。
林奚の診断では平章は今夜が峠だった。

かつて長林軍の軍医だった黎老堂主は久しぶりに長林王・蕭平庭(ショウヘイテイ)と再会した。
2人は平蕭の痛ましい姿に20年前の林深(リンシン)の姿を重ね、感慨深い。
黎老堂主は林深を救うことができなかったが、弟子の林奚は当時の自分より優秀だと太鼓判を押した。

一方、渝(ユ)皇属軍の主力はすでに梅嶺(バイレイ)へ撤退していた。

蕭平旌は父に甘州へ駆けつけた理由を説明し、昨日の林奚への態度を反省して謝ることにした。
しかし林奚は負傷兵の治療に追われ、取りつく島もない。
そこで琅琊閣から持って来た薬を差し入れてみたが、それは補薬だと突き返されてしまう。

林奚が薬を煎じていると、黎老堂主がやって来た。
「次子様に会ったのは初めてだな?想像通りの方だったか?」
「…興味がないので考えたこともありません」

丸2日も昏睡していた蕭平章だったが、意識が戻るとすぐ軍報を取り寄せた。
様子を見に来た蕭平庭は呆れて取り上げたが、平章はどうしても気になることがある。
「父上、大渝は全兵力の半分以上を私のいる甘州の左路軍に集中させていました
 妙だと思いませんか?」

まさか敵は補給を断たれたと知っていたのか、もし梁の領内で船が沈んだことを知っていたとなれば…。
しかし平庭は話を遮り、自分に任せて療養するようなだめた。
そんな父の様子から、平章は琅琊閣へ立ち寄った件で来たのだと勘付く。
そこで枕元に隠しておいた錦嚢(キンノウ)を差し出し、琅琊閣が問いに答えてくれたと教えた。
中を見なくても答えが分かっている平庭は受け取らず、ただ平章が答えをどう思ったのか気になるという。

「あの日、矢を受け、二度と父上や平旌、小雪(ショウセツ)に会えぬと思った時、分かったのです…」
すると平章は錦嚢を火鉢に投げ込んでしまう。
「過去の出来事は重要ではありません、今は以前にも増して…父上のお心が分かります」
平章の顔はどこか吹っ切れたように見えた。

その頃、帝都・金陵(キンリョウ)では長林王の報告を見た梁(リョウ)帝が朝議で憤慨していた。
左路軍はひと月も補給を断たれ、長林王府世子は負傷したという。
中書令(チュウショレイ)・宋浮(ソウフ)はあくまで事故だと訴えたが、梁帝は乗船した官員が全滅しながら大同府が調査していないことを怪しんだ。
「ゴホゴホ…ここ数年、朕は体が衰え、以前ほど朝政で厳しく目を光らせられぬ
 このような事態となって兄上には申し訳ない思いだ」
朝臣たちは慌ててその場にひざまずくと、梁帝の怒りが収まるよう平伏するしかなかった。

蕭平庭と黎老堂主はしばし旧情を温めた。
「思い出すな、我ら3人、長兄の路原(ロゲン)、私、そして三弟の林深は苦難を共にしてきた
 ″先生″によって掖幽庭(エキユウテイ)から救われ、学問と武術を学び、軍にも入ったのだ
 だが生き延びたのはこの私ただ1人だ…」
↓苦楽を共にしました

しかし黎老堂主は今でも長林王の義兄弟に対する情が少しも薄れていないことを分かっていた。
その証拠に平旌は首から例の婚姻の証しをかけている。
あの時、もはや林深が助からないと分かった平庭は咄嗟に息子と林深の娘を婚約させることにした。
…金陵からの知らせで妻が男の子を産んだ、お前の娘より三月(ミツキ)生まれが遅いだけ
…この長命鎖(チョウメイサ)は子のために作った、婚姻の証しとしよう
平庭が林深の手に長命鎖を握らせると、林深はうっすら笑みを見せた。
ところが林夫人は夫を失った悲しみに耐え切れず娘を将兵に嫁がせたくないと拒否、姿を消してしまう。
あれから平庭は母娘の消息を探してきたが、一向に見つかる気配はなかった。
黎老堂主はなぜか母娘なら誰かに引き取られて達者でいるはずだと安心させる。
「…そう願おう」
平庭は梁帝がくれた1年の猶予の間に消息がつかめなければ、縁談を賜ることになるだろう言った。
やがて2人の話は大同府の事故の件に移る。
平庭は朝廷へ大同府の調査を依頼したが、補給船が沈没したのが事故ではないとにらんでいた。
甘州の戦いがあれほど激しかったのには別の理由があるはずだ。
戦には当然、利害が生じるが、こんな卑劣な手段を講じるとは決して許されない。
「真相を解明せぬことには、死んだ将兵たちに申し訳が立たぬ」
ただ今回は朝廷の六部も複雑に絡んでいるため、軍に入っていない平旌を遣わせるのが一番だという。
すると話を聞いた黎老堂主が自分に策があると告げた。

一方、平章と平旌兄弟も父と同じように自分たちで大同府を調査すべきと考えていた。
平旌は秘密裏に進めるためにも自分が適任だと訴え、父への口添えを懇願する。
平章は確かに琅琊閣で修練した平旌を倒せるものはいないと認めた。
そこで自分の身の安全を第一に考えること、決して一時の感情で正義の鉄槌(テッツイ)を下さないよう約束させる。
こうして父と兄から了承を得た平旌は、たった1人で甘州を出発した。

黎老堂主はその夜、林奚に大同府へ向かうよう指示した。
船の事故では清風堂も5人の医者を失っているため、林奚が対応してくれれば安心だという。
そこでもし長林王の調査の者と会った場合は協力するよう付け加えておいた。

内閣首輔(シュホ)・荀白水(ジュンハクスイ)は回廊で宋浮を待っていた。
梁帝は大同府に2人の特使を送り、数日中で詳しい調査が始まる。
また長林王府も調査を申し出たため、梁帝が許可していた。
荀白水は宋浮の行き過ぎた陰謀を非難し、遠回しに敵国に通じているのではと疑う。
しかし宋浮は否定した。
確かに多少は手を回したと認めたものの、あくまで数日、遅らせる程度だったという。
まさか3艘も同時に沈み、半月も川を塞ぐとは想定外だった。
とは言えこれだけの騒動となれば事故とは思えず、渝が甘州に狙いを絞ってきたのは単なる偶然ではない。
一体、誰が異国と結託したのか?
荀白水は宋浮が手を回したことを知る者がどれほどいるのかと聞いた。
宋浮は大同府との連絡役だった幕僚の秦(シン)先生と他に数名ほどいると教え、その中に荀白水も含まれると嫌味を言う。
ともかく北の国境は火種がくすぶり、世子が重症の今なら長林府もしばらく動けないはずだ。
荀白水は宋浮に今のうちにできる限りの後始末するよう警告しておいた。

首輔殿ももふもふ♪

その頃、大同府に向かっていた蕭平旌は旅の途中で一夜の宿を取った。
すると同じ客桟で林奚の姿を見つける。

つづく


(^ꇴ^)平庭と平旌は何だかんだ言っても似た者同士なのね〜





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最終更新日  2019.05.18 10:54:52
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