【現代劇】マリアージュ・ブラン~嘘つき弁護士の愛の法則~全40話 40
風起隴西-SPY of Three Kingdoms-全24話 24
【現代劇】イジワルな君に恋をした~Sweet First Love~全24話 24
燕雲台-The Legend of Empress-全48話 48
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)最終話ついに自分の素性を明かすことにした十七(シーチー)。蕭寒声(シャオハンシォン)は人払いして寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)を居所に案内した。「で、どう証明するのだ?」「…沈沁(シェンチン)の右目が見えないことはご存知でしょう?」沈沁は子供の頃に兄と見に行った花火で右目に火傷を負っていた。「嘘だと思うなら確かめて下さい」そこで子衡は書卓で字を書き、沈沁に見せた。十七は左目を隠し、右目だけで小さな文字を読んでみせる。「″悔やまれるかな″です…それから本物の沈沁に泣きぼくろはありません 王爺の想い人は私ではなく本物の沈沁です」「違う…」子衡は混乱したのか、よたよたしながら帰ってしまう。十七は貧血気味だと診断されたが、母体も腹の子も無事だった。そこで十七は改めて将軍に事情を明かすことにする。「″拾柒(シーチ)″、これが私の名前です、気を失っている間に顔を奪われました 沈沁は姉を盾にして私を脅し、子を産んだら顔を返すと言ったのです あなたとの再会を夢見て何年も探して来ました やっと会えたのに名乗る勇気もなく、正体を知られることが恐かった でも将軍府にある全ての物や皆と… つまり圓宝(ユァンバオ)や軍師、茯苓(フーリン)たちと離れがたくなったのです」すると十七は将軍府に累が及ばぬよう寧王に話してくると断って席を立った。しかし蕭寒声が急に腕をつかんで引っ張り、抱きしめる。「どこにも行くな、腹の子と共に私のそばにいろ」「将軍、なぜ子供のことを?」「それだけじゃない、君の本当の名が″十七″だということもな」蕭寒声は沈沁ではなく十七を娶れて嬉しいと言った。一方、子衡は泥酔して王府に戻った。そこには十七の顔をした沈沁がいたが、自分が恋焦がれる沈沁とは違うと拒絶、酔い潰れてしまう。「子衡…私はあなたから離れない」晴れて幸せな夫婦となった蕭寒声と十七。すると蕭寒声は″将軍″ではなく″寒声″と呼んで欲しいと頼んだ。「寒声…ふふ」しかし十七にはまだ気掛かりなことがある。「寧王と沈沁、姉のことがまだ解決していません」蕭寒声は顔のことだと気づき、皇太子急逝の切り札となる玉佩をあきらめ、その代わり十七の顔を戻してもらうと決めた。そこへ圓宝がやって来る。「阿娘、赤ちゃんは大きくなった?…猫年の赤ちゃんがいい!」「ふっ、圓宝、猫年はない、阿娘の赤ん坊は寅年だ…(はっ!)」その時、蕭寒声と十七は思わず顔を見合わせた。「玉佩の謎を解く鍵は干支か?」十七は沈沁の合図を見て芊影(センエイ)山荘を訪ねた。そこで本物の玉佩を差し出し、代わりに姉と顔を返すよう迫る。「玉に虎の彫り物があるでしょう? 太子殿下は干支の図柄を施した玉佩を廉(リィァン)王と瞿(ク)王にも贈っていたわ これは寧王の玉佩なのでは?」すると沈沁の顔色が一変、思わず香炉で玉佩を割ってしまう。「奥の部屋にあなたの姐姐がいるわ」約束を果たしたた十七は席を立って歩き始めた。その時、突然、背後から短剣を抜いた沈沁が襲いかかる。「あなたがずっと邪魔だった!」「誤解よ?!」「子衡まで奪ったくせに!」十七は咄嗟に沈沁の腕をつかんで難を逃れたが、そこへ蕭寒声が現れる。「十七?!」咄嗟に帯剣に手をかける蕭寒声、しかし物陰からふいに子衡が現れ、沈沁の頭を殴りつけて十七を守った。十七は沈沁が倒れた拍子に将軍の胸へ飛び込んだ。「将軍?なぜここに?」すると蕭寒声が懐から赤い布を出して見せる。「帰ろう」「あ、待って!姐姐を助けなくては…」一方、子衡は沈沁が落とした短剣を拾い、沈沁の首に突きつけた。「あの女を守るのね…私を見ても何も感じないの?」「騙されぬぞ、沈沁はあの女だと言え!」「名前など関係ない、あなたのそばにいるのはこの私だけ…」沈沁は自ら短剣に首を押し付けたが、結局、子衡は十七の顔をした沈沁を殺せなかった。十七の姉は鎖につながれ監禁されていた。急いで奥の部屋に駆けつけた十七と蕭寒声、しかしそこで2人が見たものは十七と沈沁の顔を交換した邪術師に馬乗りになり、匕首でめった刺しにしている姉の姿だった。十七は姉を将軍府に連れて帰った。しかし姉はひどく興奮して食事も取らず、着替えも拒み、誰も近寄らせようとしない。十七は姉が警戒しているのは自分が分からないせいだと気づき、人払いした。「私は沈沁じゃない、顔を交換されたの…阿姐、私よ?妹の十七よ」「十七?」すると姉はようやく腑に落ちたのか、重い口を開いた。「違う、沈沁は私よ、顔の交換術師が言っていたわ、顔は元に戻せないとね」本物の沈沁は何年も前、川で溺れたところを誰かに救われていた。しかし意識が戻ると顔が別人に変わっていたという。「あの女は私をずっと山荘に監禁していた、肩の梅の入れ墨もあの女が彫ったのよ あの女が誰なのか今まで知らなかった、でもあなたに会って分かったわ」「でも…沈沁には入れ墨がない」「私に成り済ますため、入れ墨を消したのよ、私の目の前で、あの激痛に耐えてね」実は沈沁こそ十七が探し続けていた姉だった。夜更けというのに突然、沈沁が将軍府にやって来た。「子衡をどうするつもり?!」蕭寒声は姉妹で話をさせることにしたが、心配で回廊から様子をうかがっていた。すでに事実を知ってしまった十七、実は姉が妓楼に売られたのは十七の病を治すためだったという。「私の苦しみが分かる?梅の入れ墨を彫られた時の痛みを知っている? 過去の屈辱を忘れられる唯一の方法が顔を替えることだった あなたも私に感謝すべきよ、将軍に嫁げたのだから」「私を恨んでいたのね、知っていたら姐姐から離れたのに…」そこへ蕭寒声がやって来た。「太子選びが近づき廉王と瞿王が先手を打った 明朝、寧王の一件は陛下の耳に入るだろう 太子が逝去した経緯を陛下に話すよう説得してくれ、そうすれば死罪は免れる」「子衡が死んだらあなたたちを恨むから!」翌朝、目を覚ました子衡は寝所で何かを必死に探していた。沈沁は参内して皇帝に事情を説明するよう必死に訴えたが、子衡は聞く耳を持たない。するとようやく枕の下にあった長命鎖を発見、子衡はこれから沈沁に渡しに行くという。沈沁は思わず子衡を引っ叩いて目を覚まさせようとしたが、子衡は参内したら二度と沈沁に会えないと訴えた。その時、大急ぎで沈沅(シェンユェン)が駆けつける。「大変です!廉王と瞿王が…」しかし子衡は無視して出かけてしまう。「何があったのだ?」「…王爺は錯乱したの」子衡は将軍府に忍び込み、沈沁を脅して一緒に逃げることにした。しかしすでに屋敷は衛兵が包囲、驚いた子衡は沈沁を盾にして匕首を突きつける。すると蕭寒声が現れ、弓を構えた。「王爺、今すぐ陛下に釈明すれば助かります」「うせろ!」蕭寒声は弦を弾いたが、十七は寧王が死んだら姉が生きていけないことを知っていた。「将軍!やめて!」十七は姉のために時間を稼いだ。「王爺、話があるなら私が伺います」「悪かった…君を傷つける気はない」すると子衡は匕首を持ち替えて刃を外側に向けた。「君のことを聞かせてくれないか?」「私は絵師でした、絵を描くのが好きで、甘味が好きです」「そうか、最後にひとつ教えてくれ、これまでに一度でも私を愛したか?」「いいえ」「分かった…実は私は喘息で苦しむ皇太子に薬を渡さなかった、罪を犯したんだ」「でも殺していないのなら死罪は免れます」「ふっ…違う、やはり偽物の沈沁に私の気持ちは分からぬな、私は決して許しを請わぬ」子衡は突然、十七を突き飛ばし、蕭寒声の元に返した。すると自ら腹を刺し、自害してしまう。「十七…来世では…騙さないでくれ…」血まみれになった子衡の手には長命鎖があった。その時、子衡を探し回っていた沈沁が駆けつける。しかし一足遅く、子衡はすでに事切れていた。子衡にしがみつき号泣する沈沁…。十七は姉を心配して近づこうとしたが、沈沁は咄嗟に子衡の匕首を拾って突きつけた。「十七、許して…この顔は来世で返す」そして絶望した沈沁は愛する子衡の後を追った。「阿姐ェェェェェェェェェ!」十七は無事に男の子を出産、福宝(フーバオ)と名付けられた。その夜、久しぶりに圓宝を連れて夜市にでかけた十七と蕭寒声。しかし姉と姉の子を思うと十七は胸が痛んだ。「2人はこの世のどこかにいて、そばには寧王もいるかもしれぬ」蕭寒声は十七を慰めると、圓宝のために山査子飴を買いに行った。都は雪になった。「阿娘!雪よ!」圓宝が喜んで道に飛び出すと、十七は慌てて傘を広げる。その時、通りすがりの人の傘と傘がぶつかった。「ごめんなさいね」振り返った女子は沈沁と瓜二つ、しかも彼女を追って来た公子は寧王にそっくりだった。十七は幸せそうな夫婦の背中を見送った。すると山査子飴を買った蕭寒声が戻って来る。「寒声…この世には同じ顔の人がいるのかしら?」完※中国版16~18話( ๑≧ꇴ≦)あっという間の8話、3ターン目ながら飽きないドラマでした!本国配信では1話が10分前後×18話ですこれはストーリーと言うより低予算ながら演出と演技の勝利でしょうか?それにしても女主の後頭部の形、良かったわ~ ←そこかw
2024.05.29
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第7話近頃とみに忙しくなった撫遠(ブエン)将軍・蕭寒声(シャオハンシォン)。その夜、沈沁(シェンチン)は夜更けまで将軍の帰りを待っていたが、侍女・茯苓(フーリン)から諌められて先に休んだ。しかしふと寝返りをうって目を覚ますと、隣に将軍の顔がある。「いつお帰りに?」「君が寝ついた頃だ」すると蕭寒声は愛しい沈沁を腕に抱いて眠った。一方、泥酔した寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は酷い二日酔いで目を覚ました。「お目覚めですか?」十七(シーチー)は酔い覚ましを持って来たが、子衡はもはや十七に見向きもしない。「まだいたのか?…好きにしろ、適当な部屋を使えばいい」すると子衡はさっさと出かけてしまう。「子衡があなたを愛するなんて…」十七は沈沁に激しく嫉妬し、ある報復を思いついた。「蕭寒声はどれほどあなたを愛しているかしら?」沈沁は顔の交換術を調べるため、街で古書を手に入れた。すると偶然、妹を見つけた沈沅(シェンユェン)が沈沁を捕まえ、無理やり寧王の元へ連れて行ってしまう。子衡は自分が命じたわけではないと言い訳したが、少し話がしたいと頼んだ。「子供の心音を聞かせてくれないか、少しだけ…」「王爺、この子は…」沈沁は誤解を解こうとしたが、結局、きっかけを逸して慌てて帰ってしまう。相国府から将軍府に絵が届いた。蕭寒声は訝しみながら巻物を開いたが、その絵を見て驚愕する。その時、ちょうど沈沁が差し入れを持って書斎に入って来た。まさか将軍がかつて自分が脅されて描いた寧王と沈沁の情事の絵を見ているとも知らず…。「何しに来た?」「毎日お忙しそうなので安神湯(アンシントウ)を作りました」すると蕭寒声は沈沁の顔をまじまじと眺め、やはり本当の沈沁ではないと気づく。「どうかしましたか?」「急用ができた」蕭寒声は軍師・雲諾(ユンヌオ)に絵を渡し、作者を探すよう頼んだ。絵を見た雲諾は目を疑ったが、蕭寒声はむしろこの絵のお陰で確信が深まったという。「妻は沈沁ではない」雲諾はその意味に気づき、すぐ調べに出かけた。蕭寒声は圓宝(ユァンバオ)の手習いに付き添いながら考え事をしていた。…彼女に素性を明かさせる良い方法はないものか…すると圓宝は上の空の父に気づき、心配事かと聞いた。「阿爹はお前の阿娘の気持ちが分からないんだ」「阿娘が阿爹を好きかどうか知りたいのね?」ませた圓宝は急に席を立つと、沈沁の部屋から化粧箱に入った絵を持って来た。「阿娘が描いた阿爹の絵よ…初めて阿爹に会った時だって 阿娘が言ってた、ずっと前から阿爹のことが好きだったのよって」その絵はあの晩、山林で蕭寒声が娘を救うため弓を引いている姿だった。情事の絵の作者は鎏金(リュウキン)坊にいる絵師の十七だと分かった。すると蕭寒声の絵姿と情事の絵にはどちらも同じ手筆の句と落款がある。「″朝花夕拾(チョウカセキシュウ)心有戚柒(シンユウセキシチ)″、どちらも同じ作者だ」蕭寒声は早速、鎏金坊に盈袖(インシウ)を訪ねた。「君は十七の親友だとか…」動揺した盈袖は思わず酒をこぼし、慌てて机を拭いた。「この落款は十七という絵師のものか?」盈袖は将軍の絵に押された落款を見て正直に答えた。「…同じです」蕭寒声が屋敷に戻ると、ちょうど沈沁があずま屋で絵を描いていた。「十七?」「はい」沈沁は思わず返事をして筆を置いたが、蕭寒声の姿に気づいて困惑した。「将軍?今、何と?」「何でもない」すると蕭寒声はなぜか嬉しそうに書斎へ向かった。その夜、蕭寒声は沈沁の脇殿に錠をかけた。締め出された沈沁は将軍の居所を訪ねて理由を聞いたが、蕭寒声は夫婦(メオト)なら同じ部屋で寝るのが当然だという。「…絵を見たよ、なぜ私の絵を?」「それは…あなたが好きだから…」沈沁は将軍の追及から逃れられず正直に告白したが、急にえずいて慌てて逃げてしまう。翌朝、蕭寒声は荀(シュン)侍医を呼んだ。荀侍医は約束通り夫人の懐妊を漏らさなかったが、蕭寒声に鎌をかけられ口を滑らせてしまう。「…私の子に何かあれば責任を問うぞ?」「ご存知でしたか」…やはり身ごもっていたのだな…蕭寒声は夜市へ出かける沈沁に付き添うことにした。沈沁は蕭寒声が自分に聞きたいことがあると分かったが、蕭寒声は沈沁の心に自分がいれば十分だという。すると蕭寒声は山査子飴を買い、ひとつの飴を2人で一緒に食べた。…どんなに困難でも私がいるよ、十七…沈沁は露店で赤子の長命鎖に目を止めたが、将軍の手前、買えなかった。そんな幸せそうな夫婦を仮面をつけた子衡が尾行している。子衡は沈沁が眺めていた長命鎖を密かに買い求めたが、その様子を十七が見つめていた。蕭寒声はこっそり長命鎖を手に入れ、雲諾に頼んで字を彫ってもらった。…朝花夕拾 心有戚柒…今やすっかり雑用係と化した雲諾、しかし信頼できるのは雲諾だけだと持ち上げられ、断ることもできない。「分かったよ、化粧箱を買ってくる」実は蕭寒声はそろそろ沈沁に真実を明かしてもらおうと決めていた。一方、沈沁はこれ以上、将軍に隠し通せないと気づき、芊影(センエイ)山荘に十七を訪ねた。「顔を戻して、将軍に全て話すわ、寧王もあなたを気にかけてる」「分かっていないのね、顔を戻しても蕭寒声はあなたの素性を気にしない でも子衡は違う…」すると十七はなぜ子衡を愛しているのか教えた。「相国府では不遇だった…子供の頃、兄が元宵節に花火に連れて行ってくれたの 嬉しかったわ、でも実は兄は私が目を火傷するか賭けていたの その時、子衡がかばってくれた、あの時が初めてだったわ、誰かに守ってもらえたのが… まだ顔は戻せない、最後の任務を果たして、そうしたら顔を戻して姉に会わせてあげる」街へ戻った沈沁は確かに顔を戻しても将軍にどんな身分で接すればいいのか分からず、悶々としていた。すると運悪く通りすがりの男が持っていた大きな荷物が腹を直撃、腹痛を起こしてうずくまってしまう。そこへ沈沁をつけていた子衡が駆けつけた。子衡は沈沁を将軍府へ送り届けた。侍衛たちはいきなり夫人を抱いて乗り込んできた寧王に困惑、そこへ報告を聞いた蕭寒声が現れる。「すぐ侍医を呼べ、皆は下がれ」すると蕭寒声は沈沁から子衡を引き離し、自分の妻だと釘を刺して沈沁を抱き上げた。「蕭寒声!腹の子の父親は誰か知っているのか!…私だ!」沈沁は仕方なく将軍に下ろして欲しいと頼み、ついに真実を明かすことにした。「将軍…今まで騙していてごめんなさい」「聞いたか?!」子衡は勝ち誇ったように笑ったが、沈沁の口から思いがけない告白を聞く。「王爺、私は沈沁ではありません、実を言うと私は十七という一介の絵師なのです …将軍、ごめんなさい、顔を替えられ、あなたに嫁ぎました」蕭寒声は黙って沈沁を抱きしめたが、子衡はどうしても納得できなかった。「嘘だ!蕭寒声のために私をだます気か?!」「沈沁でないと証明しましょう」つづく※中国版13話2/3~15話
2024.05.28
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第6話蕭寒声(シャオハンシォン)を救うため毒矢を受けた沈沁(シェンチン)。しかし解毒薬のおかげで一命を取り留め、翌朝には目を覚ました。すると突然、閨房に十七(シーチー)が現れ、短剣を突きつけられてしまう。「負傷するなんて、相国の使いが様子を見に来るわよ? 将軍に本気だろうが何だろうが玉佩を探して!でなければその顔を私に返しなさい!」蕭寒声は軍師・雲諾(ユンヌオ)から夫人に命中した矢が官府の物だったと聞いた。しかしそれ以上のことは分からず、韓(ハン)内監も殺され、真相を知る者がいなくなってしまう。その時、突然、沈沁が回廊に飛び出して来た。「将軍!相国の使いは沈沁です!」蕭寒声は酷く狼狽している沈沁を抱きしめ、動かないよう言い聞かせた。「傷口が開いてしまうぞ」雲諾は急いで荀(シュン)侍医を呼びに行った。やがて沈沁は落ち着きを取り戻し、蕭寒声の顔を見てほっとする。「将軍、相国から使いが?」「いいや」…もしや夢だったのかしら…「将軍、実は薬が苦手なのです」それから蕭寒声は自ら沈沁に薬を飲ませるようになった。沈沁は優しい将軍の介抱で順調に回復、2人の距離もさらに近づいた。そんなある日、蕭寒声は沈沁が全快したら婚儀をやり直そうと提案する。「全ての儀式を済ませてこそ夫婦(メオト)になれる」「私は…(本当の自分じゃない)」蕭寒声は沈沁の複雑な表情を見てそれが答えだと落胆した。仕方なく部屋に戻ることにしたが、急に沈沁が衣をつかんで引き留める。「どうした?」「(実は私は十七なのです)別に…」蕭寒声は沈沁の憂いを帯びた瞳を見ると、思わず抱き寄せ口づけしてしまう。「今夜はここに?」「将軍、もしや媚薬のせいでは?」「いいや…これまでも違う」圓宝(ユァンバオ)は茯苓(フーリン)と一緒に母の脈診に付き添った。荀侍医は順調な回復だと安心したが、実は夫人が懐妊していると分かる。しかし沈沁はまだ将軍には秘密にして欲しい頼んだ。圓宝は自分に気を使っているせいだと誤解、心の広い姉になると安心させる。すると寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は将軍府を出た荀侍医を呼びつけ、沈沁の様子を聞いた。荀侍医はほぼ回復したと報告したが、負傷が胎児に影響する可能性があるという。「何だと?身重なのか?!」子衡は婚礼の前に沈沁が身ごもっていると明かしたことを思い出し、嘘ではなかったと驚いた。しかも沈沁は将軍に報告しないよう命じたという。「そうか、ふふ、口止めされたならしっかり守れ…腹の子を頼んだぞ」子衡は自分の子だと思い込み、荀侍医に金塊をつかませて帰した。子衡は沈沁のため配下に最高の補薬を集めるよう命じた。するとその夜、偶然、男装で鎏金(リュウキン)坊に現れた沈沁を見かける。沈沁は盈袖(インシウ)に近況を話し、将軍の優しさに甘えて逃げ出す機会を逸し、今や真実の発覚が怖くなっと吐露した。「私は貪欲になる一方ね、正直に話すべきかしら」「想い想われる相手は少ない、愛する人と過ごせる時間を大切にして」盈袖は十七を励まし、遅いので帰るよう勧めた。その時、突然、寧王が現れ、盈袖を追い出してしまう。子衡はなぜか沈沁の懐妊を知っていた。「あとで補薬を届けさせる、実は渡すものがあって…」すると子衡は怯える沈沁の手首に腕輪をはめた。あの夜、沈沁の腕輪のひもが切れて壊してしまったが、散らばった白玉を探し集め、直しておいたという。「だが17個しか見つからず1個かけてしまった」確かに腕輪には1粒だけ金の珠が入っている。「殴られて目が覚めたよ、今後は何でも言うことを聞く、これからは君に尽くすよ」沈沁は寧王が我が子と勘違いして殊勝な態度になったと分かった。「王爺、もう帰らないと…変に思われます」子衡は夜道を帰る沈沁を心配し、配下に護衛を任せた。しかし何も知らない沈沁は誰かに尾行されていると気づき、咄嗟に脇道で待ち伏せする。そこで足音が近づいた瞬間、門前にあった箒を振りかぶった。「私だ!」「将軍?!誰かにつけられて…」「心配いらぬ、帰ろう」実は蕭寒声は沈沁をつけて来た曲者に気づき、すでに倒していた。沈沁は書物で異国の邪術なら顔を交換できると知った。それにしてもなぜ相国の息女がこんな術を使えたのか。…もしや沈沁は…一方、朝廷では瞿(ク)王の勢力が強まり、すでに蕭寒声を懐柔したという噂が広まった。しかし子衡は沈沁を取り戻したい一心で上の空、腹心である沈沁の兄・沈沅(シェンユェン)も困惑してしまう。その夜、深酒した子衡が屋敷に戻ると、寝所で十七が待っていた。「沈沁?」「どうして分かったの?私よ」十七はやはり子衡の心が自分にあると分かったが、実はただ酩酊して十七が沈沁に見えただけだった。「どうしてだ…誰を見ても沈沁に見える…ふふっ」泥酔した子衡は十七の膝に倒れ込み、そのまま眠ってしまう。…私を捨てた後悔?それとも私の顔を持つ女への愛なの?…つづく※中国版11~13話1/3
2024.05.27
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第5話沈沁(シェンチン)に秘密があると知りながら惹かれて行く蕭寒声(シャオハンシォン)。そんなある日、蕭寒声は沈沁の部屋にこっそり花の鉢植えを差し入れた。すると急に風が吹き込み、書卓の画紙が吹き飛んでしまう。ちょうどそこに沈沁が戻ってきた。画紙を拾った蕭寒声は、沈沁が描いた圓宝(ユァンバオ)の絵姿を見て感心した。「君に画才があるとは知らなかった…」しかし2枚目には詩が書いてある。「あ、それは…」「″蕭蕭梧葉送寒聲(蕭蕭たる梧葉、寒声を送る)″?」蕭寒声は自分の名を綴った詩を喜び、もらって帰ることにする。すると沈沁は植木の花に気づき、嬉しそうに眺めた。「気に入ったか?」「はい、とても…」「それはよかった」その夜は激しい雨になった。蕭寒声は沈沁の手習いの詩と軍師・雲諾(ユンヌオ)が手に入れた書画の筆跡を比べたが、明らかに違う。しかも相国の娘は花粉に反応するため花は苦手なはずだった。沈沁は山査子飴のような甘い物を好むが、密偵の報告では相国の娘は甘味を嫌って辛味を好むという。「それに一切、妥協を許さぬ性格だとか… 自分が気に入った衣を別の客と奪い合い、引き裂いたらしい」「体質、味の好み、性格…全て報告と違う」一体、沈沁は何者なのか?蕭寒声は沈沁が使っている脇殿で雨漏りがすると知り、半ば強引に自分の部屋へ連れて来た。困惑した沈沁は他に使える部屋がないか聞いてくると言ったが、蕭寒声は夫人に雨漏りする部屋を与えたと知れれば面目が立たないという。「夫婦(メオト)が同室に寝るのは当然だろう、明日、屋根を修繕したら戻ればいい」蕭寒声は内心、沈沁と同衾できることを期待したが、沈沁は長椅子を見つけてさっさと横になってしまう。それでも蕭寒声は沈沁の寝顔を眺めながら幸せな気持ちになった。翌朝、蕭寒声が珍しく寝坊して起きると、すでに沈沁の姿はなかった。すると雲諾が現れ、今嵬司(コンカイシ)からの密報で例の内監の居場所が分かったという。…韓(ハン)内監は城外の難民営に…蕭寒声はすぐ探しに向かうと決めたが、目立たないよう独りで行くことにした。「そうだ、頼みがある…あの長椅子を壊しておけ」( ゚д゚)<え?一方、寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は沈沁が偽の玉佩をよこしたと気づき、深く失望していた。その時、ちょうど蕭寒声が韓内監の居所を突き止めたと報告を聞く。「あの内監は確か難民営にいたな…」そこで子衡は蕭寒声が難民の暴動に巻き込まれたと見せかけて殺すよう命じた。「そうか、蕭寒声は留守なのだな?」子衡は将軍府に忍び込んで沈沁を閨房に引き込んだ。「奇妙なことに無性にお前が恋しくなってな」その時、回廊から圓宝を探す茯苓(フーリン)の声が聞こえて来る。「怖いのか?…ふふ、扉を開けよう」子衡はつれない沈沁を翻弄するように戸に手をかけたが、いきなり沈沁に頭を殴られてしまう。子衡は気を失った。やがて目が覚めると、沈沁が頭を手当してくれたと分かる。「王爺、将軍夫婦の寝所に侵入したと知られてもいいのですか? 王爺は廉(リィァン)王と瞿(ク)王を欺くため、遊び人を装っているのでは? 遊び人が太子に選ばれることはあっても、将軍の夫人と密通した者は選ばれないわ」「お前…変わったな」すると沈沁は人払いしてから寧王を裏門から追い出した。「嫁がせるんじゃなかった…だが構わぬ、お前は今日で寡婦になるかもな そうなれば私の元に戻ってくる」その頃、蕭寒声は難民営で韓太監を探していた。すると難民に扮して待ち伏せしていた刺客に襲われ、包囲されてしまう。その時、馬で刺客を蹴散らしながら沈沁が現れた。「将軍!早く乗って!」沈沁は急いで脱出しようとしたが、潜んでいた刺客の矢が胸に命中、意識を失ってしまう。蕭寒声は咄嗟に沈沁を抱き留め手綱を取ると、腕に矢を受けながらも何とか逃げ切り、将軍府に戻った。沈沁は毒矢を受けたが、医者の薬のおかげで一命を取り留めた。雲諾は夫人が知らぬ間に屋敷を飛び出したと釈明、密偵の誤報を見抜けなかったと罰を請う。しかし蕭寒声は雲諾を追及しなかった。「夫人を疑って悪かった」雲諾は沈沁の隠し事の裏には深い事情があるのだと理解を示した。妓楼で朗報を待っていた子衡だったが、蕭寒声の暗殺に失敗したと聞いて憤怒した。しかし配下は蕭寒声に矢傷は残せたと釈明、夫人には矢が命中したという。「しかも矢尻に毒が塗ってありました」すると子衡は褒美を渡すと言って近づき、配下をいきなり刺し殺してしまう。そこへ十七(シーチー)が酒を運んできた。「夫人は無事だそうです、将軍府にいる友だちから聞きました 蕭寒声を守るために矢を受けたとか…」子衡は蕭寒声に激しく嫉妬し、十七の首根っこをつかんだ。「その名を二度と出すな!」「王爺が気にかけてもあの女は将軍夫人ですよ?」「私の心は誰にも奪われぬ…」そう言いながら子衡は自分でも気づかぬうちに沈沁に執着していた。つづく※中国版9~10話
2024.05.26
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第4話名実ともに夫婦となった沈沁(シェンチン)と蕭寒声(シャオハンシォン)。しかし軍師・雲諾(ユンヌオ)は海(ハイ)内監がこぼした酒を舐めた猫がなぜか発情したことから、将軍は一服、盛られたと教える。一方、十七(シーチー)は沈沁を呼び出し、守宮砂が消えたことを確認した。「蕭寒声も普通の男ね、迎春蠱(ゲイシュンコ)には抗えない 今後、月に1回、催淫効果を現すわ」沈沁は屋敷に戻ると、正直に媚薬を使ったと将軍に告白した。「誰が?」「沈沁が…(はっ)つまり私が… 理由は説明できませんが、とにかく私たちは媚薬を飲みました あの夜のことは忘れてください」「君が私に媚薬を?で、君も飲んだと…」2人は海内監が酒をこぼして中を入れ替えたとは知らず、内心、あの夜が幻に過ぎなかったと落胆していた。「将軍、薬の効果は毎月、現れます…ですからその時は離れていましょう」「…考えておく」その夜、誰にも相談できない沈沁は鎏金(リュウキン)坊に親友の盈袖(インシウ)を訪ねた。盈袖は沈沁が本当は十七で顔を盗まれたと聞いてもにわかに信じられなかったが、十七でなければ知り得ない話を聞いて納得する。「そう言えばあなたにそっくりな人を見たわ」すると沈沁はようやく親友に事情を明かし、本音を吐露した。実は十七と蕭寒声は互いに探し続けていた想い人同士で、婚姻は夢のようだという。「でも今の私は十七じゃない」一方、蕭寒声は雲諾に本当に迎春蠱を盛られていたと報告した。雲諾は相国(ショウコク)が娘を使って媚薬を飲ませたのも、皇太子の遺品を奪うためだと気づく。しかし蕭寒声はあの夜、確かに自分たちの間に情があったと信じて疑わなかった。「間者かもしれないんだぞ?尋問すべきだった」「君は自分の目と心のどちらを信じる?」翌日、雲諾は夫人の部屋を訪ね、圓宝(ユァンバオ)に頼まれて弾き弓を探しに来たと嘘をついた。そこでわざと玩具箱をひっくり返し、その中に玉佩を忍ばせる。「申し訳ない…あ、見つかりました」沈沁は一緒に玩具を拾って箱に戻していたが、見たことのない玉佩に気づく。「あ、それは太子殿下が臨終に握っていた物です、大切な物なので…」雲諾は玉佩を小箱に戻し、棚に置いて帰って行った。圓宝は母と一緒に食べようと山査子(サンザシ)飴を買って戻った。すると沈沁は飴の棒に赤い布が結んであることに気づき驚愕する。「…茯苓(フーリン)、この飴はどこで買ったの?」「門前にいた女から買いました」これに沈沁は激怒、山荘に乗り込み、目的の物なら見つけたと報告した。しかし十七ではなく寧王(ニンワン)に直接、渡すという。「将軍府の人間には手を出さないで、もし何かあったら…今の私の顔に傷をつける」「ふっ、良い作戦ね、私に似てきたみたい」十七は将軍府に興味はないと言って杯に手を伸ばしたが、沈沁は咄嗟に杯を奪った。「身重なのよ?お酒は控えて」雲諾は空になった化粧箱を将軍に渡し、夫人が玉佩を持って出かけたと報告した。「目が正しいかどうか試したぞ?その結果がこれだ」その頃、沈沁は鎏金坊で子衡(ズーホン)に玉佩を渡していた。「ご所望の物です」「蕭寒声が持っていたのか~」子衡はやっと自分の玉佩を取り戻して安堵し、久しぶりに沈沁を腕に抱いた。しかし沈沁は激しく抵抗、思わずかんざしを抜いて襲いかかってしまう。驚いた子衡は慌ててのけぞり、その拍子に沈沁の腕輪が切れて白玉が床に飛び散った。「来ないで!」沈沁は咄嗟に自分の首にかんざしを突きつけたが、子衡に捕まってしまう。「まさか蕭寒声に惚れたのか?」子衡は沈沁を壁に押し付け、無理やり口づけしようとした。もはや身動きが取れず、沈沁の頬を大粒の涙が伝う。その時、音もなく近づいた蕭寒声が子衡の首に刃を突きつけた。子衡は沈沁から引き離され、蕭寒声に短剣で脅された。「幼なじみとして会いながら礼を失してしまった、私が悪かった」すると蕭寒声は寧王が奪った沈沁のかんざしを取り戻し、うずくまっている沈沁を迎えに行く。「将軍…」「帰るぞ」しかし屋敷に戻っても沈沁は黙ったまま、釈明もしなかった。沈沁の首にはかんざしで傷つけた赤い線がある。一方、鎏金坊では子衡が妓女たちを集め、床に散らばった白玉を探させていた。「私には信条がある、大事をなすためには心を奪われてはならぬと…」蕭寒声は沈沁を問い詰めることもできず、稽古で鬱憤を晴らすしかなかった。そんなある日、沈沁が蕭寒声の居所にやって来る。「将軍、釈明せねばと思っていました 実は相国…いえ、父と寧王から太子の遺品を持ち出せと命じられ、逆らえませんでした 離縁してください、私は自分がいるべき場所へ帰ります」沈沁は離縁状を渡し、玉佩を返した。「これは?」「本物の玉佩です、寧王には偽物を渡しました、すぐにはばれないはずです」蕭寒声は玉佩が寧王と相国府に関係があると分かったが、何より沈沁が自分を裏切っていないことに感激した。「他に隠し事はないのか?」「あります、でも今は言えません」「ならば言えるまで待つ、それまで私から離れてはならぬ、分かったな?」「はい、では失礼します」蕭寒声は沈沁が出て行くと離縁状を破り捨て、満面の笑みを浮かべた。しかしかんざしを取りに戻った沈沁に見られてしまう。ばつが悪い蕭寒声は背を向けたままかんざしを差し出し、何とか面目を保った。雲諾が沈沁につかませた玉佩はもともと偽物だった。「つまり沈沁も偽物を渡したのか?!予想外だったな まさか貞節な上、捜査を助けてくれるとは…私は謝らねばならぬ」沈沁の素性は別にしても夫人は従者や子供にも優しく、皆に慕われていた。蕭寒声は沈沁が真実を明かしてくれることを期待しながら、沈沁と圓宝の楽しそうな様子を見て笑顔になる。「同じ顔をした人間が2人いるのだろうか?あるいは顔が2つあるのか?」つづく※中国版7~8話
2024.05.26
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第3話将軍府で図らずも沈沁(シェンチン)と再会した寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)。思わず沈沁を物陰に引っ張り込んで旧情を温めようとしたが、なぜか沈沁は激しく抵抗した。「王爺、場所とお立場をお考えください、人に見られたら大事ですよ」「あの晩、蕭寒声(シャオハンシォン)は君を守ったとか…気があるのやも? それもまあ好都合だ、太子が何を遺したのか探るのにはな、ふっ」その時、運悪く蕭寒声が通りかかった。驚いた沈沁は咄嗟に子衡を突き放し、難を逃れる。子衡は幼なじみの沈沁と出会い頭に閑話しただけだとごまかしたが、蕭寒声は2人の関係を怪しんだ。その夜、子衡は手放した沈沁への想いが募り、鎏金(リュウキン)坊で憂さ晴らししていた。新入りの舞姫として店に入った十七(シーチー)は偶然を装い回廊で子衡と衝突、まんまと子衡の女になることに成功する。しかしその様子を十七の親友・盈袖(インシウ)が見ていた。「あれは…十七?」沈沁は十七の合図を見て山荘を訪ねた。十七は沈沁が未だ皇太子の遺品を見つけられないと知り、思わず沈沁の袖をまくって守宮砂を確認する。「情も交わさず聞き出せるの?協力してあげるわ」「結構よ、方法を考えるから」その夜、沈沁は恩人である将軍と人質になった姉との板挟みで途方に暮れた。すると突然、見知らぬ少女が現れる。少女の名は圓宝(ユァンバオ)、父・蕭寒声の夫人を見に来たのだという。しかし父は母の顔を知らず、自分も母と会ったことがないと話した。訳が分からず困惑する沈沁、その時、圓宝を探す蕭寒声の声が聞こえて来る。驚いた圓宝は咄嗟に沈沁に抱っこをせがみ、助けを求めた。その時、蕭寒声が現れる。「圓宝?!早く下りなさい!」「嫌っ!だって講学所に連れ戻されるもん!」怒った蕭寒声は無理やり圓宝を沈沁から引き離そうとしたが、そのせいで沈沁の寝衣がはだけてしまう。「ぁ…ではここにいなさい」圓宝は自分を助けてくれた沈沁にすっかり懐き、自分の新しい母だと認めた。侍女・茯苓(フーリン)の話では圓宝は蕭寒声の養女で、本当の父親は戦死した秦(チン)副将だという。蕭寒声も出征で留守にすることが多く、圓宝は講学所に預けられていた。すると圓宝は父が母を好きになるよう策を講じるという。「阿爹が阿娘を好きになれば、出征しても私をここに残してくれるわ」蕭寒声と軍師・雲諾(ユンヌオ)は皇太子の死の裏に相国がいると疑っていた。雲諾は相国の娘である沈沁を利用した妙策があると進言したが、将軍に必要ないと退けられてしまう。圓宝は中庭に行軍用の天幕を張り、蕭寒声を呼び出した。しかし沈沁も一緒だと知った蕭寒声は遠慮して中に入ろうとしない。圓宝は仕方なく蕭寒声を中に引っ張り込み、嬉しそうに3人で並んだ。天幕の中は蛍が灯籠代わりとなって明るく照らしている。「圓宝、なぜ私を呼んだ?」「阿娘が蛍は願い事を叶えてくれるって言ったから…」蕭寒声は驚いた。「誰から聞いた?!」「その…書で読みました」すると圓宝は父にお話を呼んで欲しいとねだった。沈沁は先に戻ることにしたが、蕭寒声が引き止める。「蛍の話をするから君も聞いてくれ…」蕭寒声の蛍の話が終わる頃には沈沁も圓宝も眠っていた。今にも倒れそうな沈沁に自分の肩を貸す蕭寒声、その時、灯籠の紙が敗れて蛍が飛び出してしまう。あの夜も同じように蛍が暗闇を照らしてくれた。…将軍、しっかり!蛍がいるなら希望が持てます!…蕭寒声はあの時の娘の言葉を思い出し、なぜか沈沁に恩人の姿が重なった。沈沁を見つめる蕭寒声、するとふいに沈沁が目を覚ます。その時、寝ぼけた圓宝が母の外衣を引っ張り、沈沁の肩があらわになった。すると沈沁の肩に恩人と同じ傷跡があると分かり、蕭寒声は驚愕する。当時、あの娘は動けなくなった自分を板に乗せて紐を肩に担ぎ、ひきずって歩いた。そのせいで肩が擦り切れ、衣が血で真っ赤になったのを覚えている。「君は誰だ?」蕭寒声は思わず沈沁の腕をつかんだが、そこへ宮中から使いだと知らせが来た。子衡は山荘に海(ハイ)内監を呼び出し、賄賂を贈った。「王爺、ご安心を、当直日誌はたやすく閲覧できません これから将軍府に御酒を届けに参りますので、これにて失礼を…」十七は2人が話している隙にこっそり酒瓶に媚薬を混ぜていた。蕭寒声は夫婦の杯を交わすように沈沁と腕を絡ませ、皇帝から賜った酒を飲んだ。蛍の件でばつが悪い沈沁は早々に出て行こうとしたが、蕭寒声に引き止められてしまう。「私たちは以前に会ったことが?」「いいえ、ありません」「ならば蛍の話を誰から聞いた?」「…覚えていません」「私は蛍の話をしてくれた者をよく覚えている、彼女には泣きぼくろがあった あの声も仕草も忘れたことがない、再会できたら私を覚えているか聞きたかった そして肩の傷は痛まないか、私のように今でもあの晩の山林を思い出すのかと…」「将軍、人違いです」「君だ…」「ご覧ください、私ですか?」すると蕭寒声は深く落胆し、部屋を出ることにした。「あの姿は目ではなく心に焼き付いている、君でなければあの者に言ったと思ってくれ」その時、沈沁は秘めた想いを隠し切れなくなり、愛しい人に抱きついてしまう。自然と唇を重ね合い、結ばれる2人…。一方、媚薬を仕込んだ十七も山荘で寧王と枕を共にしていた。「ふふ、誰もこの迎春蠱(ゲイシュンコ)には抗えない…」…実は海内監は将軍府で回廊に上がる際、うっかりつまずいて酒瓶を落としていたしかし皇帝の酒を台無しにしたと分かれば首が飛ぶそこで慌てて車に戻り、花彫(ハナホリ)酒を入れてごまかしていたするとこぼれた媚薬入りの酒を猫が舐めてしまう…つづく※中国版5~6話
2024.05.25
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第2話沈沁(シェンチン)の兄・沈沅(シェンユェン)は侍女・小倩(シャオチァン)に妹の殺害を指示したが失敗。そこで今度は刺客たちを送り込んだ。しかし待ち伏せしていた蕭寒声(シァオハンシォン)たちにあっさり見つかってしまう。一方、寝所にいた沈沁は中庭から聞こえる剣戟に驚き、窓紗越しに外の様子を見ようとした。その時、刺客の1人が寝殿の鍵を壊し、剣を振りかぶって飛び込んで来る。沈沁は死を覚悟して目を閉じたが、間一髪のところで蕭寒声の放った弓矢が刺客を射抜いた。「驚かせたな、今夜はもう休め、明朝、出て行きなさい…案ずるな、相国には私が説明する」寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は沈沅が妹の暗殺を企てたと知り激怒した。実は沈沅は寧王が蕭家の失落を望んでいると誤解、代わりに手を下そうとしたという。「初夜に新婦が亡くなれば夫である蕭寒声が罪に問われると…」「浅はかな真似を!もし沈沁に何かあれば棺を2つ用意するのだな!」蕭寒声は亡き皇太子が残した玉佩を眺めていた。それにしても父はなぜ自分に沈沁を娶らせたのだろうか。皇太子が喘息で急逝、蕭寒声は国の一大事に婚儀など考えられなかったが、父から皇太子の一件には関わらず、帰京して急ぎ婚儀を行えと命じられてしまう。蕭家は代々、辺境の警備を任されていた。『戦に向かう将士の心情を理解できたら戻って来い』蕭寒声の軍師・雲諾(ユンヌオ)は相国の娘である沈沁こそ皇太子の死を探る糸口になると考えた。「なぜ追い出すのだ?」「ここにいては沈沁が危ない、腕には拉致されたような傷痕が残っていた それに…直感だが悪人とは思えぬ」「直感など当てになるか?!」雲諾は皇帝から賜った妻を追い出せば厳罰を受けると呆れたが、どちらにせよ襲撃が苦肉の策なら沈沁は去らず、妻を演じ続けるだろう。しかし翌朝、沈沁は将軍が用意してくれた衣に着替え、書き置きを残して出て行ってしまう。蕭寒声はやはり沈沁が無関係だと安心したが、急に宮中の内監(ナイカン)が訪ねて来た。撫遠(ブエン)将軍と夫人に聖旨を届けに来たという。蕭府を出た十七(シーチー)は芊影(センエイ)山荘を訪ねた。すると自分の顔をした沈沁が現れる。「こうしてみると私は美人ね…でもこの可愛い泣きぼくろを奪うの忘れたわ」激高した十七はかんざしを抜いて沈沁に突きつけ、顔を返さねば殺すと脅した。しかし沈沁は自分を殺せば二度と顔が取り戻せなくなるという。「あなたの姐姐なら向こうにいるわ」十七の姉は中庭の湯船に浸かっていた。その肩には確かに梅の花の刺青がある。しかし姉は毒を使って解毒中のため湯から出られず、十七も近寄ることができなかった。「姐姐を助けたければ私に手を貸して」「でも梅の刺青だけでは姐姐とは限らない」すると沈沁は十七が幼い頃、姉に贈った思い出の品を見せた。「あなたは将軍夫人を演じる、私は子を産んだら顔を返す… 姐姐の命はあなたにかかっているのよ?」雲諾は内監の相手をしながら時間を稼いでいたが、いよいよごまかせなくなった。仕方なく蕭寒声は厳罰を覚悟で部屋を出たが、その時、思いがけず沈沁が戻ってくる。お陰で蕭寒声は無事に皇帝の聖旨を受け、十七も沈沁として誥命(コクメイ)夫人に封じられた。…今日から私は沈沁になるのよ、うまく演じてみせる…十七が覚悟を決めたその夜、まだ5月というのに蛍が中庭を美しく輝かせた。すると蕭寒声がやって来る。「ここで何を?」「蛍を見ると希望が湧きます、漆黒の道を歩いていても、小さな光があれば希望が持てますから」蕭寒声は沈沁の言葉に驚いた。あの時、自分を助けてくれた娘も同じことを言っている。「なぜここに戻った?」「陛下から賜った婚姻だと思い出したのです、恩を忘れてあなたを見捨てられません」恩人もあの時、深手を負って動けなくなった蕭寒声を見捨てることはできないと言ってくれた。なぜか沈沁に親しみを感じる蕭寒声、すると沈沁にも恩人と同じように右目の下に泣きぼくろがあると気づく。そこへ侍女の茯苓(フーリン)が現れた。「夫人、脇殿を片付けました」雲諾は夫婦が別々の寝室だと知り、沈沁にかつて将軍には想い人がいたと明かした。「あなたを嫌いなわけではない、ただ愛せないだけです」実は蕭寒声の想い人とは十七のことだった。蕭寒声は賊の根城で壮絶な戦いを繰り広げたが、そこで人質になった十七を救う。賊は十七が描いた人相書きのせいで山へ追われたと恨んでいた。しかしすでに負傷していた蕭寒声は十七を助けるとばったり倒れてしまう。すると狼の遠吠えが聞こえて来た。『山を降りろ…早く…』『恩を忘れて見捨てられない、助けます』蕭寒声は今も十七の壊れた耳飾りを大事に持っていた。翌朝、沈沁は門前の植木に縛り付けられた赤い布を見つけた。…この赤い布を見つけたらすぐ私に会いに来て…そこで侍女に買い物へ行くと嘘をついて急いで山荘に駆けつけた。「蕭寒声が持っている太子の遺品を調べて欲しいの」「将軍夫人を演じるだけの約束よ?!」「見返りが欲しい」すると十七は血まみれになって死んでいる小倩を見せた。実は小倩は婚礼の夜、沈沁を殺そうとしたという。恐ろしくなった沈沁は手助けできないと拒否したが、十七の薬がなければ姉は生きられないと脅されてしまう。一方、子衡は撫遠将軍を懐柔するため、自ら蕭府に祝儀を届けにやって来た。しかし蕭寒声は金品ではなびかず、あからさまに敬遠されてしまう。子衡は仕方なく引き上げることにしたが、回廊でばったり沈沁と出くわした。喜んだ子衡は思わず沈沁の腕を引っ張って部屋に連れ込んだが…。つづく※中国版3~4話
2024.04.30
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虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)第1話十七(シーチー)は女画師。鎏金(リュウキン)坊の妓女である親友・盈袖(インシウ)に頼まれて描いた閨房(ケイボウ)画が評判を呼び、店は大繁盛していた。今日は十七に閨房画を描いて欲しいと他店の妓女たちまで集まったが、どの妓女にも入れ墨は見当たらない。実は十七は幼い頃、歓楽街で消えた姉を探していた。姉の肩には梅の入れ墨があるという。すると突然、相国の令嬢・沈沁(シェンチン)が十七を訪ねてきた。十七はなぜ高貴な令嬢が閨房画を所望するのか分からなかった。しかし思いがけず沈沁が姉の居場所を知っていると明かす。「姐姐?!姐姐はどこに?!」「明日の戌の刻、芊影(センエイ)山荘に来て絵を描いて、そうすれば姐姐の居場所を教えてあげる」翌日の夜、十七は約束通り人里離れた芊影山荘へやって来た。すると寝殿で沈沁と男があられもない姿で戯れている。驚いた十七は慌てて帰ろうとしたが、沈沁は酒を取ってくるとごまかして衝立までやって来た。「姐姐に会えなくてもいいの?」沈沁は衝立越しに自分たちの房事を書き終えたら姉の居場所を教えると約束した。十七は衝立の小さな穴から二人を垣間見ながら絵を描き始めた。しかしうっかり物音を立ててしまう。危うく男に見つかりそうになった十七、すると沈沁が咄嗟に野良猫だとごまかした。沈沁の房事の相手は寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)だった。沈沁にはすでに父が決めた許嫁がいたが、明日こそ退婚してみせるという。しかし寧王は鎮国公の唯一の息子で撫遠(ブエン)将軍でもある蕭寒声(シァオハンシォン)との縁談を喜んだ。「私を愛しているなら私たちの将来のためにも蕭寒声に嫁いでくれ もし蕭寒声が私の味方になれば君を取り戻す策を考える 駄目でも君は未亡人になる、どちらにしても私の屋敷に入れる日を待て」「身ごもっているの!」「ふっ、君とは長い付き合いだが、顔も覚えていないような女と同じような脅し文句を使うとは… 蕭寒声に嫁いで将軍夫人となり、私のために役に立ってくれ」十七は完成した絵を持って寝殿に入った。しかしすでに寝台はもぬけの殻、すると中庭の広い湯船に浸かっている沈沁を見つける。「あなたに意中の人はいる?」「私は…」「くすっ、その様子じゃいるようね、私にもいるわ でも父は政略のため、顔も知らない男に娘を嫁がせるの」「私は幼くして両親を亡くしました、唯一の姐姐とも生き別れです あなたの気持ちは私には想像もできないけれど、沈小姐、相国と話し合ってみては?」「ふふっ、おめでたい人ね…」沈沁は呆れて湯の中に潜ってしまう。十七は沈沁が自分に絵を描かせようと嘘をついただけで、姉の居場所など知らないとあきらめた。「帰ります、絵はここに置いておきますから…」しかし潜ったまま一向に上がって来ない沈沁が心配になり、やはり湯殿へ引き返してしまう。「沈小姐?沈小姐?!…そんなに思い詰めないでください」十七は思わず屈んで湯船の中をのぞき込んだ。その時、突然、沈沁が現れ、十七に抱きついて湯船の中に引きずり込んでしまう。山荘に頭から外套をすっぽり被った男が現れた。男の顔面は包帯で覆われ、かろうじて左目だけが見える。「あなたには恩がある、私の術で恩を返すが、これで借りはない」十七は薄れゆく意識の中で謎の男と自分に馬乗りになった沈沁の姿を見た。すると沈沁は十七の顔をまじまじと見つめる。「美しい顔ね~でも今後は私のものになる…」十七は朦朧としながら沈沁の問いを思い出していた。…意中の人がいる?夢にまで見る相手、朝も夜もずっと一緒にいたいと心から願う人が…『いるわ、一度しか会ったことがない恩人が、彼にずっと恋をしている、でも名前すら知らない』その時、十七はふいに目を覚まして飛び起きた。覚えているのは最後に見たの沈沁と謎の男の姿…。すると相国府の侍女・小倩(シャオチァン)が駆けつけ、気を失った沈沁を将軍府まで運んだと説明した。実は今日は皇帝が決めた蕭寒声と沈沁の婚礼の日だという。沈沁は十七と顔を取り替えていた。鏡を見た十七は自分が沈沁の顔だと知って驚愕、しかし腕には生娘の証しである守宮砂が残っている。「私は大小姐じゃない…他に鏡はないの?!」十七は錯乱したように寝所を飛び出し、別の鏡を探し回った。「人違いよ!鏡は?!…鏡はない?!」すると十七は護衛が止めるのも効かず、将軍が禁足を命じた部屋に入ってしまう。その頃、蕭寒声と軍師・雲諾(ユンヌオ)は隠し部屋で寧王と相国に仕える男を拷問していた。何も知らない十七は将軍の部屋にあった鏡で自分の顔を確認、衝撃のあまり鏡を動かしてしまう。実はその鏡が隠し部屋の戸を開ける絡繰りだった。蕭寒声は口を割らない男に切り掛かったが、突然、花嫁が現れ、返り血を浴びて倒れてしまう。再び意識を失った十七。すると小倩はその隙に大小姐の顔に花嫁の紅蓋頭を被せ、首を絞めた。しかし将軍が現れ断念し、慌てて逃げ出す。十七は苦しくて目を覚ましたが、紅蓋頭を外してくれたのはあの忘れられない想い人だった。「将軍…あなたなの?」蕭寒声は自分を見て涙ぐむ花嫁にいささか戸惑いながら、夫婦の杯を交わすことにした。「将軍、実を言うと私…」「しーっ…」結局、十七は本当のことを打ち明けられないまま酒を飲もうとしたが、その時、外から物音が聞こえた。「もう良い、ここまでだ」実は蕭寒声は沈沁と夫婦の杯を交わすふりをしただけだった。小倩が回廊から寝殿を見張っていると、将軍が出て来た。将軍は部屋に錠をかけ、独りでどこかへ行ってしまう。そこで小倩は合図の手巾を落とした。するとそれを見た刺客が蕭府の中庭に潜入する。つづく※中国版1~2話
2024.04.29
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