乱筆乱文縦横無尽

2009年10月14日
XML
カテゴリ: 読書日記



にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

さて、今日は10月9日に読み終えた『 「村山談話」とは何か 』を紹介します。著者の一人、村山富市氏は、言わずと知れた日本社会党から選出された第81代内閣総理大臣その人です。この村山氏による自叙伝と、評論家として知られる佐高信氏との対談が本書には収められています。本書の分量的には、佐高氏による小論が25p、対談が二つの章に分かれて計100p、村山氏による自伝が90pという割合です。

まず表題となっている「村山談話」に関してですが、これは1995年の村山改造内閣時代に閣議決定がなされた政府統一見解です。これには自民党内のタカ派として知られる島村宜伸・平沼赳夫・江藤隆美の各氏も閣僚として異議なく同意したことが本書には記されています(32p)。こうした経緯は詳しく知らなかったので、勉強になりました。

私がとても面白く読んだのは、村山氏の自叙伝「私の政治人生」。これは『 そうじゃのう… 』という著作と、『日本経済新聞』の「私の履歴書」を基にして再構成したとのことで、まったくのオリジナルではないのが残念ですが、さまざまなエピソードとともに村山氏の政治人生が概括されおり、政治家の日記や自伝が好きな私にはとても興味深い内容でした。

1924年生まれの村山氏の実家は漁師の網元だったそうです。そして、太平洋戦争中の1944年には陸軍二等兵として徴兵され、幹部候補生として軍曹まで昇進。戦後になると日本社会党に入党し、1955年に大分市議、1963年に大分県議、1972年に衆議院議員、そして1994年に内閣総理大臣に就任します。その間、衆議院議員総選挙での落選経験もあるなど、「叩き上げ」という言葉がふさわしい政治家です。また、国政に携わる際に「大衆政治家」を志した(137p)とのことで、村山氏の驕りのない政治姿勢には好感を持ちます。その一つのエピソードとして、村山氏は首相退任後に大分から上京する際にはパック旅行を利用している(80p)とのことです

地方議会議員時代は左派に属し、中央の政治家となってからは右派に属した村山氏の政治エピソードはどれも興味深いものですが、自民党と連立を組んで成立した首相時代のものがとくに面白く感じました。村山氏だけが知るような「政界裏事情」的な内容は含まれていませんが、当時「野合」と揶揄された自社連立の背景が語られています。当事者による自伝はやはり面白いです。



「村山談話」とは何か (楽天ブックス)




保守政権の担い手 (楽天ブックス)
※日本経済新聞出版社(日経ビジネス人文庫) 2007年 ★★★★★(田中角栄が面白すぎ)







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009年10月15日 04時12分46秒 コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Calendar

Profile

Sonic

Sonic

Archives

2026年10月
2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月

Comments

おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: