乱筆乱文縦横無尽

2010年02月16日
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カテゴリ: 読書日記




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さて、今日は2月6日に読み終えた『 聖徳太子と日本人 』を紹介します。副題は「天皇制とともに生まれた<聖徳太子>像」。著者の大山誠一氏の著作は、先日読んだ『 天孫降臨の夢 』(NHKブックス)に続いて二冊目です。



聖徳太子と日本人  角川学芸出版(角川ソフィア文庫) 2005年 ★★★★☆


本書は大山氏が主張する「 聖徳太子非実在説 」を一般向けに読みやすくしたものです。2001年に出版された同名の著作を下敷きにしたもので、『天孫降臨の夢』はその発展型と捉えることができます。読む順番が逆でした


本書で繰り返し強調される「非実在説」の根拠は、聖徳太子の著述とされる『三経義疏』の内容が時代にそぐわないこと、聖徳太子の存在を記した「天寿国繍帳」にある暦が持統朝に採用された唐の暦であることなどです。これらに関する著者の主張には首肯せざるを得ず、今後は私も「非実在説」を十分踏まえて古代史を眺めていきたいと思いました。


著者の主張で最も愉快に感じたのは、「 なぜ聖徳太子として厩戸王が選ばれたのか 聖徳太子の子の山背大兄王らが殺害されて太子の血脈は途絶えた 」と理解されますが、著者は山背大兄王らが死んで厩戸王(聖徳太子)の子孫が絶滅したことにより、「 『日本書紀』が編纂されている時代の人間関係に何の影響も及ぼさない 」こととなって、「 まったく自由に聖徳太子という人物を創作できる 」と考えます(p.120)。これはまさに発想の逆転で、大げさにいえば、古代史におけるコペルニクス的転回です


一方で、著者はこの「聖徳太子非実在説」を基にして天皇制を論じたい(p.272)と記しますが、その前提となる著者の天皇制理解とは、「天皇制こそ、日本そのものであり、日本を理解する最大の鍵だと思っている」(p.45)とのことです。しかし、これが「日本は、天皇号が成立する前から、天皇制の社会であった」(p.46)となってくると、何ともエキセントリックに聞こえてきます。これでは「日本」を論じようとして「日本」を定義づけられず、結局は自分の好む「日本」を一方的に語るのみです。堂々巡りはまったくの不毛。そんなことよりも、著者には「聖徳太子不在」の新たな古代史像を描くことに専念してほしいと思いました。


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Last updated  2010年02月17日 03時11分02秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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