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97歳のKさんが予定通り、昨日自宅に戻っていらした。
約一月の入院で、食べる意欲もなくし、退院前10日間は点滴と酸素療法を受けていた。
医療保険での訪問診察と訪問看護で自宅でも点滴を続けるので、さっそく今日訪問。仏壇と神棚のある居間の電動ベッドにKさんは横たわっていた。
娘さんの話では、お口から食べられなくなっていたので睡眠導入剤を飲ますこともできず、一晩中痛いと訴えるお母さまに付き合って一睡もできなかったという。
「のどが渇いた」「口が渇いた」「水を飲みたい」と訴える母親に何もしてあげられないのはとっても辛い、と。
確か、12日前に病棟でお会いしたときには水飲みから、流動食を召しあがっていた。娘さんが切羽詰まった表情で、「何とか車いすに座って飲めないでしょうか」と訊ねてくる。娘として覚悟しているとも。
その時の瞬間的判断で、Kさんに流動食を飲んでいただくことを決めた。
新しい車いすは病棟で乗っていなかったので、初乗り。下半身が麻痺しているので全介助。痛い、痛いと訴えるご本人をなだめながら車いすに乗っていただく。背中が曲がり、上体を起こしていられないので、車いすに座っているのは辛いようで、「戻して!」って。お家にあるクッションを背中に入れて、顎をひいた姿勢になっていただき流動食を召し上がっていただく。
むせもなく飲み込めた。
娘さんは、自分では車いすの座らせないので、ベッドの上でも本人が飲みたいときに飲ませてあげたいという。ベッドの頭側を電動で上げていくと、またまた「痛い!」が始まる。「あんたは、死なせる気か」ともおっしゃる。それでも頭の下にクッションを入れ、上体をサポートしていくと何とか、顎を引く姿勢になれて水をのみこむことができた。
丁度その時担当のケアマネージャーさんがいらして、車いすが合わないこと、姿勢を保つためにポジショニングクッションがあったほうが望ましいことを伝える。さっそく福祉用具の事業所に連絡を入れていただき、さっそく明日から1週間のお試しができることに。
昨夜はお薬も飲めなかったので、こんばんはお薬を飲ませたいとのご希望。スウィートインゼリーというゼリー状飲料は嚥下困難な方でも飲みやすいので、近くの薬局でお買い物をしてきましょうかと言ってみると、同意していただいた。
今夜には睡眠導入剤を服用して、ぐっすり眠ってほしい。うまく行くといいのだけれど。
点滴をするためのセットがなかったので午後もう一度訪問することを約束して事務所に戻る。
御飯を食べる前に薬局により、目当ての商品を購入。午後一番は訪問介護の方がいらしているので2時前に再訪問。聞くところによると、エンシュアリキッドという液体の栄養剤をほぼ1缶召しあがったという。
とりあえず、病棟で刺してきた静脈留置針から点滴を開始。看護師からは末梢からの点滴は難しくなってきたときいていたので滴下速度は遅かったけれど点滴の漏れはないので刺し替えはせずに、明日の訪問診察に医師にお願いすることにした。
家族から相談されたとはいえ、経口摂取を再開したことで、誤嚥性肺炎になったら自分の責任だと思うと、とっさの判断でチャレンジしたことに不安になってしまった。
明日訪問する診療所に今日のことを説明に行くと、看護師長は分かってくれ鎮痛剤や抗不安薬などの処方を担当医師に伝えてくださるという。
明日も明後日もお元気でいてほしい。
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