〜 結論を言わずに、オーディエンスが「もっと知りたい」と思うくらいで止めておく、というのも、スピーチのテクニックのひとつです。 最終プレゼンでは、冒頭に短編の映像「Feel the Pulse(鼓動を感じて)」を流しました。被災地と思われる屋外で日本人の少年が、ボロボロになったバスケットゴールに向かってシュートの練習をしている姿が映し出され、そこをチームバスで通りかかったアメリカ人らしきバスケットのメンバーが、彼のことを目に留め、バスを止めて降りていき、少年の練習に付き合う。でもそのストーリーは未完のまま終わり、オーディエンスは続けて武田理事長のスピーチを聞くことになります。 そして終盤、安倍首相がスピーチを終えたところで、その続編になる映像「Share the Pulse(鼓動を共有しよう)」を見せました。そこでは、大人になってバスケット選手になったかつての少年が、同じようにシュートをしていた外国の少年に付き合う映像が流されます。 これはオーディエンスに「もっと知りたい」と思わせ、彼らの関心をプレゼンの終盤まで引っ張るための「ワザ」だったのです。 〜