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快晴でも無いのに暑さを感じる土曜の昼、国立新美術館で「エミリー・ウングワレー展」を見に行った。留学時代に半年もアボリジナルスタディを勉強していたので、アボリジニのアーティストといえば、思わず反応してしまう。
彼らを代表する言葉であるワールドビュー、ドリーミングなどまだ覚えいるかなぁ、講義を担当してくれた教授は健在かなぁ、教科書がとんでもなく分厚かったなぁなどと、過去を回想しながら向かった。
美術館の中では「よく、わからないなぁ」という声がちらほら聞こえて、結果的には3パーセントでも学んだことを覚えていた僕は、彼らの「大地への愛」や「故郷を愛する精神」をなんとなく理解することができ、また、絵からもそれを感じることができたので、抽象画を見て感覚的に「イイ!」と思う時より、あれこれ想像しながら見ることができた。
彼女が亡くなる2週間前に、3日間で残した数作品に、数色を大筆で乱雑に書いたものがあるが、絵を成功に描く力が残されなくても、彼女の故郷であるユートピアへの愛だけは忘れなかったのだろう、と思わせられた。
ちなみに、彼女は80歳を超えてキャンバスに描き始め、8年で数千点の作品を残した。
その後、ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン主演の「最高の人生の見つけ方」を見た。作中に何度も繰り返された「Find the job in your life」という言葉を何度か自分に問いかけた。
果たして自分の喜び、幸せはどこにあるのだろう。
作品中、実業家エドワード(ニコルソン)は夜に惣菜の入っている容器がうまくあけられなかったり、夜を楽しく過ごす相手が金銭的な関係しかなさない女性しかいない時に、涙を見せるシーンがあるが、これが現代人の生活にかぶって見えて仕方ない。独身という意味では僕もそのなかに入るかもしれない。
自分の中でのJOYはなんだろう、そして自分はどんなJOYが必要なのだろう。
80歳から絵を描くエネルギー、故郷を愛する気持ち。
目先の利益と、本当の幸せは一致しないのかもしれない。
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