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秋葉原の事件の報道を、HRの観点のみで解釈すると、労働形態による疎外感が犯行の動機を助長したのではないかと察する。
事実、作業服がなかったことに対する怒りをぶつけたり、リストラを行う会社への不信感が本人によるインターネットへの書き込みから伺える。過剰なまでの被害意識と、派遣社員という勤務形態による会社からのる疎外感。
この二点は何も今回のケースだけではなく、皆が持っていることだと思う。事実、現在の勤務先、過去の勤務先でも過剰とまでも思われる劣等感を、非正規社員から聞くこともある。正社員であった時代は、「全く、被害妄想だよ」などと、思っていたが、有期契約である現在の自分は、皆が言っていたことがなんとなくわかる。
問題は、
1、企業が経費削減、アウトソーシングなどによる作業効率向上を進めた結果、非正社員が増えたこと
2、ワーク・ライフバランスという潮流の元、実際にはフルタイムで働く労働者が減少、その結果従業員の会社への帰属意識が減っている
などが考えられる。得に私が考えたいのは2である。
育児のための、通勤緩和のための、あるいはオフィススペース縮小による固定費削減のための、自宅勤務は、日々嫌な上司でも顔を合わせ、一体感や帰属意識を培ってきた日本の企業文化に変化をもたらした。
しかしながら、自宅勤務は、主にメール、電話でのやりとりである。
いくらビデオ会議を開いても、上半身だけタイをしめれば、極端に言うと下半身は何もはいていなくても気づかない。
そんな状態で会社への一体感が生まれるはずはない。
束縛や、不自由さ、そのようなものから得るものも多いのではないか。
何もかも自由になった現在の会社は、無断欠勤すら許すのだから。
それで、従業員が一体感をなくすのなら、いっそ、従業員を束縛してみたほうがいい。
なお、今回は労働形態という視点でのみ事件に触れたということを、ご理解ください。
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