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2011.01.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
現在6年生の社会科を担当。

「もうすぐ卒業なのだ」という思いが強い。

先日から社会科は「歴史」を終え、
中高で言えば「現代史」「公民」といった分野に入った。

大抵指導時間が不足し、
「読んでおけ」で終わりがちなこの分野、
実は奥が深い。

敗戦を契機とし成立した日本国憲法は

「基本的人権の尊重」「国民主権」「平和主義」。

まあ、これくらいの知識は小学生といえども必須だろう。

問題は中身。
「公民的資質」を養うためには、
自分との関わりを実感しながら
自分なりの価値判断を言葉にしていく作業が必要だと考えた。

そこで先日の社会科の討論会のテーマは
「平和を考える」。

平和を築くために
「軍事力(武器)は必要である」
「必要ない」

討論会。

平和主義を学んだばかりだから、
「必要ない」派が多数を占めるだろうと予想していたが、
何と「必要である:17人」「必要ではない:18人」で
半々に分かれた。



<必要派:以下○印で表記>
・第二次世界大戦のとき、ドイツはヨーロッパを破壊した。
それは軍事力の違いが原因だった。平和を築くためには
軍事力が対等であることが必要だ。

<不必要派:以下●で表記>
・武器の使用は死を招くだけだ。南京大虐殺では、
罪のない女の人や子どもたちが殺された。
原爆でも、やはり多くの女の人や子どもが亡くなった。
武器を持っていること自体、平和とは言えない。

ここから自由討論に入る。

○武器を持っていたら平和にならないという考えは間違っている。
みんなが持つことで国の違いがなくなり、平和になる。
現実的にも、武器を持たないことは考えられない。

●みんなが同じだけの武器を持つことが本当に実現できるのか。
武器の存在そのものが「悪の象徴」であり、
武器を持っているのに、隠すということも考えられ、
同じ兵力になることは考えられない。

○武器をなくすこと自体に大変な資金が必要だ。
核兵器を廃棄するだけで、何兆円もかかる。
そんな経済力があるか。処分するだけで、世界中の資金がなくなる。

○それに、どんな段階を踏んで武器をなくすというのか。

●確かに歴史を動かしてきたのは武力だった。
武器をなくすことが難しいことはわかっている。
しかし聞きたい。本当に実現できるのであれば、
そっちの人も「なくす」ことに賛成するのではないか。

○「もし」という想像だけではダメだ。
領土を増やしたいという欲が戦争を起こした。
現実を考えなければならない。

●武器があるから、争いが起こる。
争いをなくすためには武器をなくさなくてはならない。

○軍事力を使おうというのではない。防衛のためだ。
攻撃されたら、武力で防衛する。そして休戦に持ち込み、交渉する。
それで平和的な解決ができるはずだ。

○ダメージを受ける一方では、交渉さえできない。
米ソの冷戦もそうだ。ぴりぴりしていたが、争いは起こらなかった。

○休戦状態で平和だと思う。
争いが起こっていない状態に持ち込むこと、
これが実現可能な平和だ。

●休戦の状態が平和といえるのか。
それは国同士のだましあいの状態に過ぎない。

ここでいったん論点を整理し、
別の角度からも述べることが必要だと伝え、
討論会後半に入った。

○もし自衛隊をなくしたら、生活自体に支障が出る。
原子力発電所だって、データを破棄するのか。
もし破棄したら、エネルギーの問題はどうなるのか。
破棄しなければ、原子力は核兵器に変えられてしまう。

○武器を隠し持っている国がいるというが、
そんな国を止める力を持つのが武力だ。

●原子力を平和的に利用することは可能だ。
核兵器にしないよう、交渉を進めるべきだ。

○平和利用というが、戦後5カ国しかなかった核保有国が、
インド、パキスタンなど、どんどん増えていった。
歴史でも「水の奪い合い」が争いのもとになったと学んだ。
武器を持たないというのは現実的にムリなことだ。

○隠し持とうとする、それが人間だ。

●核兵器を脅しにするだけだというが、
持ったら使おうとするのが人間だ。
核で攻撃しないと言い切れるのか。

ここで時間が来たため、代表者による最終弁論に入る。

○確かに核兵器は使用される危険性がある。大陸間弾道弾という手段だ。
しかし今、迎撃ミサイルの精度が上がり、宇宙空間で爆破できるという。
これによって、防衛できると考えられる。
武器を持つことこそが、平和をもたらす。

●最初に言ったが、武器は「悪の象徴」だ。
持つことによって、人間は悪の心を持つようになる。
前に「目に見えないものを大切にしよう」
「愛を大切にしよう」と学んだ。
持てば使用したくなるのが人間だ。
武器を持たないことこそが平和を築くことにつながる。


とまあ、こんな感じで45分が経過した。

私は、どちらが正しいとか、
討論に勝ったとか負けたとかということよりも、
あの幼かった2年生が、
こんなこと、話し合えるようになったのだと、
本当に成長したなあと、
感無量だった。

前の日に急に予告し、実現した討論会だから、
具体例や根拠は、それまでに自分なりに吸収していたものだろう。
それまでの授業ではほとんど話題にのぼらかかったため、
私自身、その情報量の多さと正確さ、そしてその活用の的確さに驚いた。

この子らが生きていくこれからの社会、
解決不可能とも思える難題に
何度もぶつかることだろう。

でもその現実から目をそらさず、
自分なりの意見を構築し、
主張できるようになってほしいと願う。

次の時間から「世界の中の日本」という
6年生社会最後の単元に入る。

この子達と学ぶのが、
本当に楽しみであり、
卒業間近だと思うと
ちょっぴり寂しい。









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最終更新日  2011.01.22 10:10:06
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