家庭内単身赴任?オヤジの手酌日記

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2007年12月08日
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テーマ: 徒然日記(25409)
カテゴリ: 趣味いろいろ
おはようございます。独酌です。


それでは『楽々バンパイア調理法講座』の始まりです。

【Point1:まず、心臓をえぐり出せ!】

血液を送り出す心臓は吸血鬼にとっても力の源です。
心臓を摘出するには、まず香を焚いて悪臭を誤魔化し、胃からメスをいれて、手探りで心臓を掴み出す。こう書くと簡単なようですが、摘出方法は地方や民族によって異なるので要注意。バルカン半島のスラヴ人地域のジプシーの伝説によれば、吸血鬼の血がついた人間は発狂すると言われているため「胃からメスをいれて体内を探りまわす」など言語道断。江戸でウナギを腹開きで捌くようなモンである。
セルビアではこうやって取り出した心臓はワインで煮詰め、また体内に戻しておくと言うが、ルーマニアではその心臓を熱した釘や杭で突き刺し、単に焼くだけという地方もある。ひと手間かけて【ワイン煮】にするか、シンプルに【ロースト】にするかは貴方のお好み次第。

【Point2:早い、簡単、手間要らず!】

そんな手間のかかる方法を用いずとも、首を切り落とすだけで良いともされてます。しかし、その首を胴の近くにおいておくと繋がってしまう怖れがあるので、足元に置いたりお尻の後ろに突き刺したりする必要がありますが、ローストチキンやクリスマスの七面鳥のように飾り付ける必要はありません。

【Point3:串を使えばもっと楽!】

一番ポピュラーなのは、杭を用いて吸血鬼を串刺しにする方法です。杭はトリネコ、セイヨウサンザシ、ビャクシン等を用い、死体を大地に釘付けにすることによりその復活を妨げるものです。串に刺した後で強火で焼けば更に効果的。
ウクライナでは杭には【ハコヤナギ】を用いるが、これは、キリストを裏切った【ユダ】が首を吊った呪われた樹であるとされるからなんだそうです。

【Point4:エースを狙え!】

「一撃必殺」 で、一撃のみで杭を打ち込まねばならず、二撃以上では復活してしまうとの説もあります。『吸血鬼ドラキュラ』では描写の必要からか、何回も何回も打ち込んでいるが本来は×。以前に話した【グール】も刀で切り殺す時は 「一撃必殺」 が絶対条件で、二撃以上浴びせると元気に復活してしまう。そこでグールは一撃で死ななかった場合「さあ、トドメを刺せっ!」と誘ってくるので注意が必要です。この小説で胸に杭を打ち込まれるのは伯爵に血を吸われて僕にされた女性ですが、肝心の伯爵様の最後は匕首であっさりと始末され、粉々の塵になってしまっている。それに対して『吸血鬼カーミラ』はちゃんと?杭で殺されてます。
狙うのは心臓だが、ルーマニアの【ストリゴイ】は心臓を2つ持つので要注意です。

【Point5:がっちり手堅く!】

普通の吸血鬼退治の場合、杭を打った後は首を切り落とし、口に大蒜を詰め込むのがベスト。杭を打つ前に煮えたぎった油をかけるという地方もあります・・・頭を落として、ニンニクを詰め込み、串に刺して油で揚げる・・・何か旨そう・・・しかしながら、吸血鬼の中でも特に強力な奴は、首を切ったり杭を刺したりした程度では死んでくれません。

「僕は死にません!、僕は死にまっしぇーん!」

別に貴女が好きだからと叫んで プロポーズ する訳ではなく、吸血鬼は最初から死んでいるからである。正確には「死ねてないと」言うべきでしょうか。
ブラム・ストーカーが小説で使ってから【The Un-Dead】という語は英語で普通に使われるようになりましたが、「不死者」という意味よりは本来「死に損ない」の意味でした。
では、切っても刺しても死なない奴はどうするか?
・・・霊魂の宿る肉体を焼き滅ぼせばそれで終り。
もちろん焼いても骨は残ってしまうが、欧米では死者の霊魂は骨には宿らないと考えられています。
そんな訳でセルビアでは、吸血鬼は骨が無いとされてます。チキンナゲットみたいになってると思ってるのか?

ただ、日本と違ってヨーロッパでは火葬は宗教的に禁止とされる地域が多いのでこれは最終手段であり、手間もかかるので滅多に行われません。ただしギリシアだけは杭を打つという退治法を用いない為に心臓をえぐり出して八つ裂きにして火葬にするのが一般的だそうです。
火葬にする前に、屍体を寸断するとか、断頭するとか、肉片を油・ワイン・聖水で煮るとかいう地方もあり、焼く時に煙の中から出てくる虫も全部殺すのが良いとされますが、ここまで大袈裟な退治法を用いずとも、吸血鬼には生前破門された人が多いので、村の人々の同意を得て破門を解いてやればそれだけで成仏出来たりもするそうです。

「心残り」を解消してやれば成仏するなら、『吸血鬼』とか『甦った死者』とかいわれている怪物の正体は何なのであろうか?
再度、独酌流の考察を・・・そんなに大層なもんじゃないか。

中世においては、伝染病の原因を吸血鬼に帰すことが多かった。

その場合は一番最初に病気に罹った人が犯人(吸血鬼)とされ、彼の墓を暴いて串刺しにすれば伝染病は止むという発想へと繋がったのでした。その風潮に教会が乗っかったんでしょう。

「死者を復活させ、吸血鬼にしてしまうのは悪魔の所業である」

いかにも昔の教会の考えそうなこってすね。

もっと近代になると、「なんらかの理由があって屍体がなかなか腐敗しない」という説明が出てきます。
東方正教においては、破門された人の屍体は腐敗しないと考えられているので、「腐敗しない屍体」とはつまり死後も魂の平安を得ない人(= Un-Dead)のことなのである。
バルカンの各地には、人が亡くなって何年かたったら墓を掘り返し、白骨になっていたらそれでよし、腐敗していなければ吸血鬼になったと考える「再埋葬」の習俗が存在します。例えばブルガリアでは、死者の魂は40日間地上を彷徨い、身体が腐敗していればそのまま飛び去ると考えられています。

次に、もうちょっと科学的な分析。ギリシアの【サントリーニ島】は「世界で最も吸血鬼に汚染された場所」と言われてきましたが、これは、島中に吸血鬼がウヨウヨいるという訳ではなく、実はこの島は無菌性の土壌が多く、埋葬した屍体が腐敗しにくいので吸血鬼も沢山いると考えらるようになってしまいました。「合理的な事情によって腐敗しない」という説明は18世紀の学者がすでに到達しているのですが、この島の出身者は職業(または副業)として【吸血鬼ハンター】をしている者が多数いました。

これと並んで科学的に説明しようとすると、「早すぎた埋葬」というのも考えられます。
土葬を主な埋葬方法とする地域に当然起こり得る悲劇的な事態ですが、近隣で吸血鬼騒ぎがあって墓を掘り返した時に、柩の内側を引っ掻いたりした跡が発見されたりする事があります。更に体が腐敗していなければ、これは吸血鬼と誤解されて首を切られたりしました。
西欧でも昔は生死の判定があやふやだったので「早すぎた埋葬」への恐怖は大変なものでした。屍体は腐敗しだすまで納棺すべきでないとか、柩には毒薬の瓶をいれて「甦った死者」が苦しまずにまた死ねるようにすべきだとか色々言われていました。でも、甦った死者?が毒を飲んで今度こそ死んだら、「自殺」になるのでは?
自殺すると吸血鬼に・・・

もっと現実的というか馬鹿馬鹿しい理由もありました。
屍体が盗まれて空っぽになった墓を見て、甦ったと勘違いするのがそれです。屍体は何処へ行ったかというと大抵の場合は大学でした。
掘り出した屍体は医学校の解剖用に売り買いされたのであり、17~19世紀は屍体盗掘の全盛期で、専門の「盗掘屋」が成り立つほどぼろい商売であったようです。
屍体は高かったので、貧乏な医学生の中には自分で墓場を掘り返したり、酷いのになると、墓場の見張りが厳重なのでかわりに人を殺して屍体を作ってしまうとんでもない奴もいたと言います。

あとは以前にお話した「病気」ですね。

これらの事象が「死者が甦る」という考えを生みました。
ただ、これはあくまで「甦った死者」のことだけです。これに加わる「吸血」という行為はスラヴ民族土着のものではなく、他からの借用であるとの説もあります。
確かに「甦った死者」であるから血を吸うと決っている訳ではなく、逆に全ての「吸血鬼」に共通する特徴は「甦った死者」であるという一点のみであり、東欧諸言語(イストリア語や、スロヴェニア語)で吸血鬼をあらわす【vukodlak:ヴゴドラク】とか【strigoi:ストリゴイ】とかいう語は、本来別の怪物を意味していたのが、後になって「吸血鬼」という意味に転換されたと考えられている。もっとも、そこでいう「別の怪物」が「甦った死者」であるとは限らず、例えば【vukodlak】は本来【Wer Wolf :人狼】のことであり、生きている人間が呪術等で狼に変身した怪物である。これは古代ギリシアの歴史家ヘロドトスも報告している、極めて古くから伝わる伝説で、ユーゴスラヴィア等では吸血鬼伝説と一緒くたになり、吸血鬼が動物に変身するとかいう話の基となっています。

そもそも、死者の魂が何故もとの身体に戻ってきてしまうのか?
これを解くことが吸血鬼の発生の謎に迫る事だと思います。

「屍体とは完全な死ではなく、一時的に眠っているのと同じもの」

ヨーロッパを中心に、このような考えがキリスト教会の否定にも関わらず生き残ってきました。その一方で東方正教会では教会の禁制をおかした者(自殺者や犯罪者、私生児も含む)は死後天国に入れないとされるため、かような教会の見解もまた「甦った死者」の形成に一役かったと考えます。
例えばギリシアでは神話時代から死者が血を飲むことによって生き返るとの伝説があり、カトリックと比べれば、異教に寛大というギリシア正教会のもとで、「焼いて灰にする」「大蒜で防ぐ」とかいうあまりキリスト教的でない退治法と一緒に、「血を求めて彷徨う死者」つまり「吸血鬼」が伝えられてきたのではと独酌は思います。
さっきも言った「吸血行為はスラブ土着のものではない」説が事実だとすると、その起源はギリシアであるとも考えられ、それとは別にキリスト教の「血=生命の水」という発想も絡んできたとも考えられます。この頃の教会は布教の為に、それまでの信仰や風習を否定しなければならなかったので色々な話をデッチアゲてました。
ギリシア人の間での「甦った死者」は実は16世紀位までは無害な存在だったのが、それ以降に凶悪な性質を獲得していき、スラヴ人の伝説にある人狼が死後に甦って吸血鬼化するとかいう話が広まったのは17世紀末頃であったとされていますが、キリスト教の勢力分布図の変遷に合致してると独酌は思います。スラヴ人の多くが信じる東方正教はもともとギリシアが本場ですけどね。

そろそろ、出かける時間になりますので続きは後日に。
画像も入れてないし、これ位なら「字数」も大丈夫だろう。
投稿と「パブロン」は早めが良いかも知れません。

それでは、行ってきます。







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Last updated  2007年12月08日 07時35分30秒
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