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2011年07月18日
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カテゴリ: music

ベートーベン ヴァイオリンソナタ9番"クロイツェル"1楽章前半 ピアノ:マルタ・アルゲリッチ

誰でも名前くらいは知っていると思う、有名な曲である。
やさしくどこか懐かしい、ひなびた思い出の様な調子で始まり、次第に激しくなっていく展開には引き込まれる。

この曲以前のヴァイリンソナタと言うのは、ピアノが主体で、ヴァイオリンが助奏的な役割だったのだそうだが、この曲はベートーベンが両者が対等であるように意識して作った曲だ。

つまり、ヴァイオリンソナタ、というのは半分かそれ以上ピアノにウエイトがあるものなのだ。

ずっと以前読んだ漫画「ブラックジャック」で、不時着した飛行機に乗っていた高名なヴァイオリニストが、この曲を弾いて、騒ぎ始めた乗客を静めたという場面があったが、出だしの音も小さく、ピアノ無しだとどうだったのだろうと少し疑問である。

それにしてもこの二人の組み合わせ、まさに夢の競演と言えるだろう。
最も好きなピアニストにアルゲリッチを挙げる人は少なくないだろうし、一番好きなヴァイオリニストにクレーメルを挙げる人もまた多いはずだ。

クレーメルもアルゲリッチもどちらかと言えば攻撃的な演奏をする人だ。
その個性がぶつかり合ってうまくいくのだろうか?と期待と不安交じりで聞いてみれば、確かに普通でない演奏だとは思うが、妥協もなくかといって不協和音もなく、見事な演奏だ。さすがとしか言いようがない。


ヨハン・セバスチャン・バッハ パルティータNo.2より"シャコンヌ"

バッハ曲なので、普通ピリオド奏法で演奏される。
重音も多くテクニックだけでなく曲の構築力も要求される、非常に難易度の高い曲だ。

ロッケンハウス教会でのこの録音はクレーメルにとって2回目のパルティータの録音だが、若いころのものと比べて枯れた感があって、迫力やスリル以上に胸に迫るものがある。
若いころからそうではあるが、まさに常に命を削って演奏しているように感じられる。


シューマン バイオリンソナタ2番1楽章

明るい表情を見せながら、心の中に憂いを抱えている、といった感じの曲で、それは深まるものの、沈んではいかない。
似たような心境の時聴くと非常に共感を持てる曲だ。

クレーメルと言う人は、自伝を読むと、本当に異常なまでに神経質で常に不安な心を抱えて、よくこれだけの繊細な心で生きてこれたかと思うほどだ。
音楽に打ち込むことによって支えられてきたのかもしれないが、幼いころからヴァイオリニストになることを強いられた環境で、音楽を愛してやまないとかそういう単純なことではなく、複雑な思いがそこにはあっただろう。

彼の演奏はリラックスしながら流して聴くような音楽ではない。聴くたびにその世界に、空間に引き込まれ、体験をしていくような思いだ。






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Last updated  2011年07月18日 20時07分31秒
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