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★復帰の道目指す指導者が続々
“下克上日本一”を成し遂げたロッテで陰の功労者といわれるのが、就任1年目にして若手を育てた金森栄治打撃兼野手チーフコーチ(53)。
その打撃理論が改めて注目を集めているが、金森コーチにとって貴重な経験となったのが、3年間にわたる独立リーグでの指導だ。
いまも独立リーグでは、懐かしい顔ぶれが監督・コーチを務め、NPBへの復帰を虎視眈々と狙っている。
金森コーチの打撃理論は「できるだけボールを引きつけて打て。腕を少し曲げ、脇を締めてひじを体に近づけた状態で、腰主導でバットを振れ。腕が伸びた状態でボールをとらえたのでは、力が伝わらない」というシンプルなもの。ふすまの開け閉めに例えて「ふすま理論」とも。
球界に金森コーチを師と仰ぐ一流選手は数多く、西武コーチ時代に指導した和田(現中日)、カブレラ(現ソフトバンク)、ダイエーのスコアラー時代の井口(現ロッテ)、城島(現阪神)らはいまも金森コーチを慕う。ロッテコーチ就任1年目の昨年は、清田、岡田を付きっきりで指導し、2人を日本シリーズで大活躍させた。
その金森コーチは2007年から3年間にわたって、BCリーグの石川ミリオンスターズ監督を務めた。地味な独立リーグだが、「あの3年間はおれの長い経験の中で、ロッテで日本一になった去年に次いで2番目に楽しかった。自分の思うとおりに教えることができて、結果も出たから」と振り返る。
裏を返せば、他球団のコーチ時代は思い通りに指導できなかったということ。「君だって、自分でいいと思って書いた記事を上司に直されることはあるやろ。それと一緒や」と苦笑する。
そのうえで「独立リーグの環境は悪い。それでもやるというくらいだから、選手たちは本当に野球が好き。そこはおれと一緒や。今の(NPB=日本野球機構の)プロの選手とは比べものにならない」という。
昨年限りで横浜ヘッドコーチを辞任した島田誠氏(56)も、08年に四国・九州アイランドリーグの長崎セインツ監督を務めた経験がある。
島田氏は「独立リーグの選手は月給8万円ほど。当然アルバイトをしながらで、はっきり言って技術レベルは低い。宿泊費を浮かせるためチャーターしたバスで午前0時に長崎を発ち10時間かけて四国へ着いて即試合に臨んだこともあるし、お寺の本堂を借りて寝たこともある」と明かす。
「それでも選手たちははい上がろうと懸命にやっている。それに比べると、プロは2軍選手でも給料は高いし、自分でユニホームを洗濯する必要もないのだから恵まれている。ちょっと活躍したくらいで何億円という年俸をもらい、すぐ金のことで球団ともめる選手たちを見ていると、うらめしくなるよ」
今年もそんな独立リーグへ、一昨年まで野村克也監督を参謀として支えた元楽天ヘッドコーチの橋上秀樹氏(45)が、BCリーグの新潟アルビレックス監督として乗り込む。
逆に、NPB球団のドラフト指名をうけて独立リーグから入団するケースも。昨年10月のドラフト会議では、四国・九州アイランドリーグから3人、関西独立リーグから1人が指名され、育成選手としても四国・九州から3人、BCから1人、関西独立から1人がNPB入りしている。
指導者の受け皿にも、選手の供給源にもなっている独立リーグ
だが、一方で島田氏が指揮を取った長崎は昨年限りで脱退。
関西独立リーグでも存否が微妙な球団が現れるなど、経営状態は予断を許さない。
NPBと独立リーグをめぐる“環流ブーム”が球界を盛り上げることになる かどうか。
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