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2019.03.25
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カテゴリ: 歴史
2年近く積みっぱなしになっていた『アレクサンドロス大王東征記』をようやく上巻だけ読み切った。
阿刀田高の『獅子王アレクサンドロス』だとか,漫画『ヒストリエ』なんかでやる気が出た感じになるね(​ 2019.3.13日記 ​)。


【中古】文庫 ≪政治・経済・社会≫ アレクサンドロス大王東征記 上 / アッリアノス【中古】afb

さて,この『アレクサンドロス大王東征記』なんだけど,上巻だとアレクサンドロス大王が即位したところから始まり,インドでポロス大王と戦うあたりまで。即位前のエピソードはばっさりカットされているのは残念ではある。

この東征記なんだけど,延々と事実を羅列するかたちになっていて,ずいぶんと退屈な感じになっている。
いや,歴史書なんだからそりゃ当然なのだけどね。また,歴史書という性格上,アレクサンドロス大王のプライベートなんかはほぼ書いていない。ただ,ときたまアッリアノスの論考が書かれている部分は非常に面白い。
また,感心するのが序文で1巻冒頭で著者であるアッリアノスが,「アレクサンドロス大王については多くの記録があるのだが,書かれていることがずいぶん違う。」として,「アリストブロスとプトレマイオスの記録が一致するものについてはそのまま採用し,一致しない場合はより信用できる方を採用する。また,その他資料も参考にする」としっかりと宣言しているのが面白い。


さて,読み進む際,僕が気にしながら読むのは,アレクサンドロスによるピロタス・パルメニオン親子の粛清と,クレイトス殺害,またカリステネスの粛清である。
アレクサンドロスは征服王なので敵を大勢殺しているのは当然として,読んでいて引いてしまうくらい味方も殺している。

まずピロタスだとパルメニオンである(3巻26以降)。
ピロタスはアレクサンドロスの学友だし,その父パルメニオンは父フィリッポス2世時代からの忠臣である。これについて,著者であるアッリアノスは事実をただ記述するだけで,この決断をしたアレクサンドロスの気持ちなんか記していない。時期的に,ガウガメラの戦いが終わっていて,もはやパルメニオンは不要になっていたのか,等考えは尽きない。

ところが,クレイトスとなるとやや事情が異なる(4巻8)。
このクレイトスもアレクサンドロスの学友である。三国志でいえば,アレクサンドロスを劉備玄徳とすれば,クレイトスは張飛くらいの役割か。
このクレイトスを,アレクサンドロスは酔った勢いで喧嘩して,殺してしまうのだ。原因は,アレクサンドロスがペルシアの文化を取り入れたり,自分は神以上の存在だと傲慢になったアレクサンドロスにクレイトスが意見したためである。
これについて,アッリアノスは正気に返ったアレクサンドロスは自殺未遂を図ったことや,三日も食事を取らず泣き暮らしたことを書き記す一方,「王に対して傲岸不遜の行いをした」とクレイトスを咎めているのが気になる。
このとき,へファイスチオンやプトレマイオスはどういう反応をしたのか,クレイトスの遺族への補償はどうなったのか,気になるところだ。

そして,最後にカリステネスの粛清だ(4巻10~13)。
カリステネスの話は,クレイトス殺害の直後くらいに語られるのだがかなりの分量を使っている。また,著者はこの4巻はかなりの分量を費やして,ペルシア文化に耽溺するアレクサンドロスへの批判をしている。ここでカリステネスも殺されてしまうわけだが,僕としては悲しい気持ちになるな…。


世界各地にあるヘラクレス伝説があるんだけど,まずはテュロスにもヘラクレス=メルカトの話(2巻16)。著者は,やけにヘラクレスが世界中で活躍してることになっているけど,伝説が混じっているんじゃないのか,と指摘していたりしている。神々がマジで信じられていた時代にと考えるとずいぶんと興味深い。
さらにヘラクレスはインドのアオルノス地方までやってきたが,ここの都市を攻略できなかったという伝説もあるらしい(4巻28)。著者も若干の含みを持たせていたテュロスと違って,「さすがにインドまでヘラクレスが来たとは思われない。ヘラクレスの名は,大げさに誇張するためのでっちあげでは?」としていたするのが興味深い。

アレクサンドロスは「俺なら宝石箱の中にイリアスを入れておく」とか言っちゃうほどアキレウスの大ファンなはずだけど,かなり強いヘラクレス人気を感じる。アキレウスと違って,世界中を旅していたので動かしやすいのもあるかもしれないが。
アレクサンドロスも,バルシネとの間に生まれた庶子にヘラクレスと名前を付けているし,ある程度はヘラクレスを信奉していたのだなと思うよ。





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最終更新日  2019.03.29 18:48:10
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