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2007.01.31
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カテゴリ: 暴動



 翻訳というものが、生身の人間が作業するものである以上、どうしても避けられない宿命がある。
 翻訳者にとっては、どれだけ時間がかかろうとも、一定以上の料金を要求することができない。たとえば、1枚(わざわざ断る必要もないが、近頃1枚の意味もわからない翻訳者が増えているから、敢えて断っておく。1枚とは原稿用紙1枚のこと。何字になるかは自分で調べるべし)に30時間かかったからといって、30時間分の時間給を請求することはできない。
 逆に、支払う側からすれば、できの悪いものでも、翻訳者が生活の糧にしているかぎりは、べらぼうに安い料金で買い叩くわけにはいかない。

 トラドキスタンの折衷形態法案では、翻訳作業の請負形態が雇用契約と業務契約の中間に位置することを明記し、報酬として支払うべき料金は時間報酬と成果物報酬の二本立て表示にすることを義務づけている。
 時間報酬はあくまでも600円。1枚を翻訳するのに要する時間の上限を2時間とし、それよりも作業の遅い翻訳者のことは一応考えないことにする。成果物対価の下限を200円とすると、翻訳者側からみた時間給は700円となり、かろうじて「最低賃金」が確保されることになる。

二本立ての単価設定は、これまで見えなかったものをはっきりと目に見えるようにしてくれる。
 単価にすれば、1400円、1500円、1600円の違いにすぎないのに、翻訳会社が成果物に支払う対価はそれぞれ200円、800円、1400円となり、翻訳者からみた時間給については、700円、2000円、4800円という大きな差が生じる。


 単価だけをみると、かなり均質に近い世界に見えるが、あとの数字を見ると実にいびつな世界であることがわかる。
 エレマーはまず、そういうことを踏まえたうえで行動せよ。

 手長は、どこかに途轍もなく大きなうねりが生じているのを感じていた。

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Last updated  2007.01.31 08:14:08 コメントを書く
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