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2007.02.26
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カテゴリ: 発禁小説



 私は本棚に並べられた断片から、「自由への道」の復元を試みた。
 さいわい、1日数回の検査を除いては、何もかもが自分の自由になった。こうして、私は2週間もしないうちに、「自由への道」の大筋をほぼ復元することに成功した。
 それも、私の性格からいくつも寄り道をしてのことである。
 もうひとつ、面白そうな発禁小説も見つかった。
 まあ、それはこれからのお楽しみにとっておこう。

 そこには自閉症に関する世界中の資料がほぼ完璧なかたちで保存されていた。作者はそれほどまでに自閉症にこだわり、自閉症の子をもつ親の生活を書き続けた。
 あちこちに美佐子、美奈子、美那子、美菜子などの名が出てくるのは、作者が主人公の名を決めかねたためだと思われる。筋を再現していくと、どれも同じ人物であると考えた方が自然であることがわかってくる。
 ここではとりあえず美那子としておこう。美那子は自閉症の子をかかえ、家でもできる仕事を志し、医学の翻訳をするようになる。

 これはと思う原書をみつけ、本当に苦しんでいる人が読むに堪えるような日本語に訳そうと考える。版権獲得に奔走しながら、出版社との交渉にも入るが、「日本語なんてどうでもいいじゃないですか」と言われて大きなショックを受ける。
 生活の糧を得る医薬の仕事でも、次々に新興の翻訳会社が現れ、ありえないような日本語を自然な日本語だと主張する者たちとのやりとりに疲れ果て、精神的な危機に晒される。

 この小説の本領は、母親の苦しみをみた自閉症の息子が逆に母親を救うに至る経緯にある。日本社会から疎外された者の再生の物語であるとも言える。
 残念ながら、この最も感動的な部分がほとんど失われてしまっている。
 ここに残された資料から、それを復元する能力が果たして私にあるだろうか。

 それにしても、日本国はなんと残酷なことする国であろうか。


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Last updated  2007.02.26 16:55:40 コメントを書く
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