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2007.04.17
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カテゴリ: ウイルス速報




 文そのものがおかしいわけではない。
 ただ、一般人(庶民)なら「これだけでは文全体の意味がよくわからないですね」というところである。一般人の使うことばは情報量が小さい。小さいから逆に解釈の幅が広がる。前後関係や、その人のいつもの癖などから、ああ、この人はこういうことが言いたいんだなあということがわかる。一般人の情報伝達はそれで十分である。
 的を得ると言おうが、ら抜きことばを使おうが、そんなことは問題にならない。
 ところが、翻訳者や大卒者、学者は情報量の大きなことばを使いたがる。情報量の大きなことばを使われると、そこから導かれる現実がある程度限定されてしまう。
 あいまいというのは、それほど悪いことではない。情報を絞り込んでいないだけのことで、これから絞り込んでいけばよい。ところが、ある程度意味が限定されることばを使っているのに、実はその限定された範囲の外にあることを言っている場合には、当然のことながら困惑せざるをえない。
 たとえば、一般人なら「どういうものかを突き止める」、「いったい何なのかをはっきりさせる」と言うところを、翻訳者や学者は「同定する」を使いたがる。ところが、そのうちの実に8割が「特定する」、「確認する」、「洗い出す」など、他の表現でないと意味が通らない。
 思考がことばについていけていないのである。

 この「これだけから文の構造を解明するのは冒険である」も、構造や解明のように情報量の大きな情報子を使い、しかも「構造」と「解明する」とが結びついて「構造を解明する」となっているかぎり、多少なりとも日本語の知識のある者なら、だれがどう読んでも「原文の構造そのものがよくわからず、どれが何にかかっているかというような構造を明らかにする」としか解釈できない。ところが、実際には構造ははっきりしている。問題は具体的に何を言わんとしているかということである。


 ことばが機能していない。学者や英語から翻訳に入った者によくみられる現象である。
一般人のまちがいと大きく違うのは、一般人のまちがいが一度きりのものであり、だれもがすぐに気がつくものであるのに対して、おかしいことを指摘する人がいないまま、日本語のシステムに大きな影響を及ぼすおそれがあることである。 

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Last updated  2007.04.17 13:41:17
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