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2007.05.12
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カテゴリ: 発禁小説



 登場人物はみな、だれもが一人称で語られ、それぞれの間に何ら連絡がない。ある者は自閉症の子をかかえ、ある者は知的障害のある子を抱え、それぞれが社会をまったく知ることができない状態で、それでもなお大きな荷物をかかえて生きていかなければならない状況が描かれる。

 美奈子は自閉症の子どもをかかえ、同じ自閉症の子をかかえる母親らと勉強会を開くが、そこで限界にぶつかる。日本語の文献にはなかなか、自閉症の本質をとらえたもの、生活に即した対処方法を書いたものがない。
 翻訳書もいくつかあるが、日本語があまりにもひどく、とても使いものにならない。
 それなら自分で訳そうと翻訳の道を志すが、翻訳書の日本語のひどさに美奈子の神経は病み始める。それに輪をかけるように、医薬翻訳で出会う人たちの日本語に対する無神経さが、美奈子を追い詰めていく。

 安泊記者はため息をついた。

 なるほど、日本国という国はこういうものを発禁処分にしなければ、もはや存続しえないほど追い詰められているのか。 

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Last updated  2007.05.12 00:42:48 コメントを書く
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