歎異抄を学ぶ

歎異抄を学ぶ

2006年06月07日
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「おのおの十余か国のさかいをこえて、身命をかえりみずして、たずねきたらしめたまう御こころざし、ひとえに往生極楽のみちをといきかんがためなり」


総、武蔵、相模、伊豆、駿河、遠江、三河、尾張、伊勢、近江、山城などの十二ヶ国
をいう、ことからも、はるばる遠い道のりを40日くらいかけて歩いていくわけです。長い旅路なだけに、途中で死ぬ人もいたわけです。ですから決して大げさな表現ではなく、わが身も命もかえりみずに「たずねきたらしめたまう。」この「しめ」は使役にも使いますが、この場合は尊敬です。だから、訪ねていらっしゃったおこころざしは、ただひたすら往生極楽の道を聞こうがためであると言っています。

「しかるに、念仏よりほかに往生のみちをも存知し、また法文等をもしりたるらんと、こころにくくおぼしめしておわしましてはんべらんは、おおきなるあやまりなり」

ところが、念仏よりほかに往生の道をこの私(親鸞)が知っていて、「また法文等をもしりたるらんと。」何かありがたいお経とか、お釈迦さんが説いたのをお経、それをさらにのちのお坊さんが注釈したのが注釈書になるわけですが、そういうのを全部含めて、なにかそういうありがたい法文をも親鸞は知っているのであろうと、「こころにくく」というのは現代と意味が違い、知りたいという意味で、「おぼしめしておわしましてはんべらんは」知りたいとあなたがたがお思いになっていらっしゃるとしたら「ほんべらんは」の「ん」は仮定の状態を示すので、知りたいというふうにあなたがたがお思いになっていらっしゃいますとすれば、それは「おおきなるあやまりなり」それは大変間違っていますよということに。

だから、せっかくこられたのは、ひとえに往生極楽の道を聞くために来られたのでしょうけれども、しかし何のためにきたのですか、と親鸞は言っています。厳しい感じを受けますね。
もしほかに、もっと教えてもらいたい、往生極楽のためには何かもうちょっと知ったほうが往生できるんじゃないかという気持ちでこられたんであれば、間違いです。十何カ国を訪ねてきた門弟たちに対して、親鸞は厳しくそういいます。なにかもっと知りたいと、もっとありがたいものがあるんじゃないかと、どうも念仏だけでは何となく不安である。ほかにもっとありがたいお言葉やら、ありがたいお経の文章を知りたいと、こう思ってこられたのなら間違いです。こういうふうに親鸞はこう言っているわけです。

「もししからば、南都北嶺にも、ゆゆしき学生たちおおく座せられてそうろうなれば、かのひとにもあいたてまつりて、往生の要よくよくきかるべきなり」

「もししからば」しからばというのは、その通りならばということ。つまり、何かお経とかありがたいものを知りたいと思って来たのならば、「南都北嶺にも、ゆゆしき学生たち、おおく座せられてさうろうなれば、かのひとにもあいたてまつりて、往生の要よくよくきかるべきなり。」南都北嶺の南都は、南の都、すなわち奈良を指します。北嶺とは、比叡山をさします。どちらも仏教の伝統のある場所であり、南都には興福寺があり、北嶺には延暦寺があります。そのほかにもありますが、そういう立派なお寺があります。
そこには、「ゆゆしき学生」学生というのは現在の学生ではなく、これは学者という意味です。「ゆゆしき」というのはすぐれた、これ、皮肉です。立派な学者たちが多くいらっしゃる。「座らせてさうろうなれば」多くいらっしゃいますので。そういうところには、立派な学者さんたちがいっぱいおられますので。「かのひおtにもあいたてまつりて」かの人に会い申しあげて「往生の要」往生のための肝心要の大事な点を。「よくよくきかるべきなり」よくよくお聞きになったらよいのだ、というふうに言い切っております。
だから、せっかく訪ねて来たんですけれども、親鸞にとってみれば、何のために来たのかということをまず聞いているわけです。なにか念仏だけでは不安で、ありがたいお経の文章を親鸞聖人は知ってるであろうと、弟子たちが考えてそしてわざわざやって来たんなら、それならば南都北嶺に行きなさいというふうにつっぱねてしまっています。


親鸞に言わせれば、そんなことはする必要はないと。念仏して往生する、とそんことを信じればそれでいいので、それ以上わざわざやってくる必要はない。
もしこのようなことを認めてしまえば、何か京都へ行く、行かなければ往生出来ないみたいに、東国の一般に人は考えます。こういうふうにやって来れる人っっていうのは、やはり一部の人です。わざわざ片道40日もかけて、仕事休んで京都までやって来て、また帰っていくなんて大変なことです。こんなことは一般の民衆に出来ないことです。何かそんなことが往生の必要とか条件とか、親鸞に会ってきた事が一つの偉いことになるのを親鸞は恐れたように感じます。だから、こんなことができるのは本当に一部の人ですが、そういう人々だけ特別になにか利点があるというようなことにはしたくない親鸞のそういった配慮が伺えます。






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最終更新日  2006年06月07日 15時34分43秒


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