紫式部の源氏物語(宇治十帖)では浮舟(うきふね)を助けて出家させた「横川の僧都(よかわのそうづ)」。そのモデルは平安時代中期の天台宗の僧「源信(げんしん)」だと言われています。
源信は、比叡山・横川にある「恵心院(えしんいん)」に籠もり、仏堂修行と著述に専念し、浄土教の基礎を築いたとされています。権力者ばかりでなく誰もが念仏を唱えることによって仏になれるとし、民衆の間に天台の教えを浸透させました。「恵心僧都(えしんそうづ)」とも呼ばれ尊敬されていたということです。
ちなみに、比叡山・横川の恵心院は、源信の師・良源(りょうげん)のために藤原兼家が建立した寺だそうです。良源は、火災により荒廃した比叡山延暦寺を再興し、比叡山延暦寺の中興の祖と言われております。
話を宇治に戻しましょう。
宇治川沿いにも「恵心院」というお寺があります。
「恵心院」入口
弘仁13年(822年)(別の資料では弘仁12年(821年))、空海(弘法大師)の開基とされ、創建当時は「龍泉寺」とよばれていました。寛弘年間(1004年~1013年)、源信によって再興され「朝日山恵心院」と改名されました。
弘法大師の像
宇治の恵心院で行われた源信の説法が多くの人々の心を癒したと伝えられています。
「恵心僧都説法の道場」の石碑
恵心院の門
門の瓦
平等院の対岸にある恵心院のある辺りが、源氏物語では浮舟の住まいに設定されたようです。静かなたたずまいで落ち着いた雰囲気の場所です。
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