Tarsha's Trace

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2008.02.04
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今夜も、江藤淳氏ふたたび・・・『漱石とその時代 第三部』をめくる。漱石の書簡がいくつも紹介されているのだが、面白くて笑ってしまった。



・・・先達てから食後に腹が痛くつて仕方がない。学生が夫は胃がんだと嚇したので驚ろいて服薬を始めた。是は慢性胃カタールださうだ。腹が重くて、鈍痛で、脊や胸がひきつつて苦しくて生きてるのが退儀千万になつた。近々人間を辞職して冥土へ転居しやうと思ふ。

五月五日    野武士

白楊先生




:「近々人間を辞職して冥土へ転居しやうと思ふ」―爆笑 しかも、自分のこと、「野武士」と言ってるよ(笑) 古風で笑える。

手紙の宛先人は、漱石の弟子「森田草平」です。「白楊」はなんだろう? 弟子に「先生」とつけてますね。漱石のユーモアさがうかがえる手紙の一つだなぁ。





(前略)卒業論文をよんで居ると頭脳が論文的になつて仕舞には自分も何か英語で論文でも書いて見たくなります。決して猫や狸の事は考へられません。僕は何でも人の真似がしたくなる男と見える。泥棒と三日居れば必ず泥棒になります以上

五月十九日   金

虚子先生



:この手紙を書いた時はちょうど、『我輩は猫である』を執筆中であり、かつ、大学の仕事で学生の卒業論文を審査しているところだったそうです・・・私が何も言わなくても、笑えますね。
ちなみに、漱石の本名は、夏目金之助なので、「金」となっている。





すべてやり遂げて見ないと自分の頭のなかにはどれ位のものがあるか自分にも分からないのである


:これも、弟子の森田草平にあてた手紙の一文。作品を発表後、その出来をあとから後悔している草平を激励している。自らの失敗談まで載せて、彼を安心させようとしている・・・ 漱石って本当にユーモアがあり、また、弟子を大切にする良き教育者でもあったんですね。

漱石先生の仰る通りだ・・・ 自分を信じて、とにかく思いっきりやってみるしかないんだ。







今日の夕方、夕食や生活品といった類を買いに、寮から徒歩で10分弱のところにあるショッピングセンターへ。最近、UPには、黒人の団体が来ている。毎年この時期になると来ているが、何かの研修だろうか? 私がショッピングセンターのコープでレジに並んだときも、背の高い黒人の人が前にいた。


黒人の人たち特有の匂いがある。その文化に慣れていなければ、ほとんど必ず鼻につく独特の強い匂い・・・ けれど、私はそれに対する反応を、絶対に顔や態度に出さない。何もないような、まったく普通の体を装っている。

一方、フィリピンの人は、「来たよ」みたいな感じで互いに目配せする。微妙な笑いが彼らの顔をよぎる。鼻をつまんで笑いながら、もしくはしかめ面をしながら、その場から出てきたりもする(彼らの目の前ではやらない)。


レジ担当の店員は、黒人のお客が自分のところへ並ぶのを知って、その直前に他の店員と例の目配せをし、彼が自分の目の前にいる間は、ほとんど息を止めて顔を下に向けるようにしていたのが見えた。
彼らに分からないようにしているけれど、分かる。彼の態度がいつもと違うから。身体を頑なに閉じようとしているのが伝わるから。

目の前で起こっていること―レジの店員がそうしているのも、万が一それに気づいた黒人のお客が不快な思いをするかもしれないのも―見るのが嫌で、黒人のお客が前にいる間、私はずっと小銭入れの小さな口の中を覗き込んで、10ペソ玉を探していた。


フィリピン人は、何世紀にもわたる植民地支配の歴史の中で、差別されてきた側だ。けれど、彼らもそのような仕方で、「差別」するのだ。


でも、もう一方で別の考えも浮かぶ・・・

本当に不快な匂いであれば、我慢はしたくない。私だって顔に出そうとしないだけで、その匂いを嫌に感じることはある。それは、もう生理的なものだ。けれど、それを見て相手が傷つくのが嫌だから、そうしない。

現に、このような匂いを持つのは黒人の人だけではない。中東の国から来た人にもある。
でも、これが彼らの生活なら、文化なら、どうしたらいいんだろう。









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最終更新日  2008.02.05 01:20:50
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