Tarsha's Trace

Tarsha's Trace

2008.07.21
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


ルームメイトは2人とも、それぞれ出かけたきり、まだ部屋に戻ってきていない。

部屋に一人。

鈴虫の音が、真っ暗な夜の底にひときわ響く。

今日は本当に、随分よく聴こえる。


トゥルトゥル、トゥリトゥリ、リリリリ・・・


時々、猫の鳴き声が混じる。涼しい空気が窓から入ってくる。


平和な夜。





ここ数日、ずっと纏まらなかったことが、ようやく一筋の流れになった。やっと一つ。


ウェン先生は、4月のディフェンスの折、私に色々と質問される先生を遮り、こう言われた。


僕たちは、彼女の言うことすべてに対して賛同する必要はない。しかし日本では、偏見のある学者は後ろの引用文献を見ただけで打ち捨てて、中身さえ読もうとしないだろう。だから僕は、なんで彼女がここでこういう内容に取り組むのかよく理解できる。日本ではこういう内容を扱うのは非常に困難なんだ。僕たちは receptive だが、日本の一部の学者はそうではない。

だからこそ、彼女のやろうとしていることは、これまで日本の研究者が取り組まなかったために私たちが見ることを許されなかった新しい側面を見せてくれる。

これはいわば、日本の既成のアカデミズムへの挑戦であり、文学の新しい面白さを浮かび上がらせる aesthetics だ。





だから私の論文を見て下さる、何も知らぬ先生方に対して「よけいなこと」は言わなかった。でも東大に留学されたウェン先生だけは、すでにご存知だった。私がやろうとしていることが、きっと日本の一部(ほとんど?)の学者には偏見と共に黙殺されるような内容であることも。それを知っての上でそのように言って下さった。

本当に、驚いた。私が隠していたことをそのものずばり言われ、しかもそこに大きな意義を見出して下さった。心からの感動と感謝を抱いた。

ターシャのことを勇敢だとも仰っていた。

私が思うに、無知な人間の強みはただ一つ。
事情をよく知らぬがために思いっきりがいいこと。(苦笑) 

私は「勇敢」ではなくて、「無謀」なだけだ。新しいアプローチを試みるというのは、本当に、大変なことだ。実際にやってみて痛感する。未だ修士のレベルで、まだ足りないことだらけの力不足なのに。今の状態では、本当は時間も足りない。

新しいことは、一通りすべてのアプローチをマスターした上でやる、というのが常識なんだもの。

でも、そういう流れになったんだ。最初はやろうとしていなかったのに。・・・それを求めている人がここにいる。私をいつも本当に助けて下さった ma'am Artemis もその1人だ。

それを伝えられるのは、今この場所に、私しかいない。だからやる。それでいい。

UPはフィリピンのトップの大学だ。そこの先生方が喜んで下さるような内容の論文、そして求めているものに応えられるような内容の論文が書ければいい。それが、今の私がフィリピンに対してできる、最高の恩返しだ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.07.22 02:13:35
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

tarsha1

tarsha1

カレンダー

カテゴリ

バックナンバー

2025.12
2025.11
2025.10
2025.09
2025.08

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: