蓼科高原日記

蓼科高原日記

2011.04.11
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カテゴリ: 美しき蓼科


2011年4月11日(月)

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ただ生きている


ペンション村の中で野生のニホンジカの母子に出会う。ちょっとはなれっところに群の長(おさ)と思われる屈強の雄鹿がでんとにらみを利かせている。



居室の窓のカーテンを開けると染めの前の庭にきょとっとした顔をして立っていたりする。

年を追うごとに群の新しいいのちが増えているのがわかる。残念なことにそれにつれて彼らの食料不足(もう飢餓と言ってもいいかもしれない)は悪化の一途をたどっている。

しかし間違えてはいけないのは、もし我々が彼らに食料を与えたとすれば、彼らの絶滅はさらに加速すると言うことだ。

自然派自ら個体数のバランスを取るものだ。その役を果たしてきたのはニホンオオカミだったが、ひとが滅ぼしてしまってからはこのようなアンバランスが天敵を失った種にとっての大問題になっている。その代わりを担ってきたのがハンターであったと言うことが学術的にも世界的に認められるようになった。

環境省は長い禁猟期間のために老齢化してしまったハンターから若いハンターへの知識と技能の継承を急ピッチで進めている。

いずれ森を滅ぼし水源地を滅ぼしてしまうと言う野生動物による自然破壊というはじめての経験に戸惑いながら、生態系の適正化の努力がおこなわれている。

野生のシカはじつに美しい。その眼差しはじつに穏やかだ。しかし、心を鬼にして個体数調整をしないならば、この美しい生き物はこの世界から姿を消してしまう。森と水源地を失った他の多くの無垢な小動物や鳥たちを巻き添えにして。

だからぼくはシカと出会うたびにとても胸が痛む。でも、同時に「ただ生きている」という無垢なありかたに大きな感銘と勇気を受け取っている。






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※※※


お知らせ:


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Last updated  2011.04.12 01:20:36
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