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カテゴリ: Book Review
「冷たい校舎の時は止まる(上・下)」(辻村深月、講談社文庫)を読む。

12月のある雪の日、登校してきた8人の高校生が、何か得体の知れない力によって学校に閉じ込められた。いるはずの教師や生徒もいない。扉や窓も開かない。時計は5:53で止まっている。2か月前の学園祭の最終日に起こった、クラスメートの自殺と何か関係があるのだろうか? 8人は試行錯誤を繰り返しながら脱出を試みる、という学園・ホラー・ミステリ。

上下巻合わせて1200ページ弱という長さにもかかわらず(長い小説にはスティーヴン・キングで慣れている)、文体が読みやすいこと、それに「学園・ホラー・ミステリ」と、私の好きなジャンルが3つも重なっていることも手伝って、ほとんど息もつかずに読んでしまった。

この作品の「人を閉じ込める」という設定から、私は直ちにスティーヴン・キングの小説「ランゴリアーズ」(文春文庫)を連想したのだが、いみじくも登場人物のひとりがそれと同じことを述べている。ひょっとしてこの作者はキングに影響を受けているのではないだろうか?

それはともかく、話の中で彼らの脱出劇とともに、1人1人の過去明らかにされ、それぞれが抱えている闇の部分というか、葛藤や悩みが丁寧な筆致で描かれているのもこの作品の特徴だと思う。

そしてストーリーの作り込みの部分も出色である。終盤で、それまでの色々な伏線が一気に繋がっていく。それはよくある「パズルの最後のピースが嵌る」というより、「パズルの全部のピースが一気に嵌る」という感じで、私は非常にな驚きを感じた。

これで辻村作品を読むのは3作目だが、読み終わって気付いた。私はこの作家が好きだ、と。


冷たい校舎の時は止まる(上)


冷たい校舎の時は止まる(下)







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Last updated  2012.03.08 11:26:21
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