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2012.05.01
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カテゴリ: Book Review
「都庁爆破!」(高嶋哲夫、宝島社文庫)を読む。

テロリストと思われる集団に都庁が爆破され、展望室の客や都庁職員が人質として閉じ込められる。背景には、ニューヨークWTCビルへのテロ、地下鉄サリン事件、イラク戦争、アフガン戦争などが見え隠れする。おまけに世界の金融市場が不穏かつ異常な動きを見せる。

事態に対応する都知事vs総理の対決(というと言葉は悪いが)が、かなりリアリティがあるというか、万が一こんなテロがホントに起きたら、本作で描かれている通り、総理(政府)は何の役にも立たなくて、都知事の方が上手く対処するのではないか、と思う。また、テロに対する日本の危機意識・危機管理レベルの低さという点でも、本書は単なる虚構ではないと思う。

そんなわけで、きっちり読めば読んだ分だけある意味勉強になる作品であるし、エンタメ小説として一気に読むこともできる。ただし、後者の場合若干難しい記述や伏線もあるが…。

例えば、 …都庁は世界貿易センタービルのようなやわな崩れ方はしない、万全の対策を講じている というバカみたいな安全神話や、何事も閣議を開いてバカみたいに時間をかけないと決定できない政府なんていうのは、事実といっていいだろう。

あと面白かったところを列挙してみると、いずれも実際の日本の社会にあてはまる話ばかりのように感じる。



「宗教は人間に災いだけをもたらすもののような気がする。世界の大部分の戦争は宗教がらみだ。人間に平和を与えるのは政治なのかもしれない」

自衛隊はだれがどう見ても軍隊だ。これを真に違うと信じてる奴などいないはずだ。いれば脳味噌の構造がかなりおかしいのだ。それを、あくまで言葉のあやでごまかそうとする。憲法で軍隊を認めていないのであれば、自衛隊は存在しないのだ。存在しないものの議論をどれほど国会でやっても茶番にしかすぎない。

まず政治から老害をなくさなければ、日本はいつになってもこのままだ。
だが、秘書に支えられてうつろな視線を向ける半分ボケた議員に国民は不安を感じないのか。七十代の後半になって、よろめきながら国会を歩いている姿は老醜以外のなにものでもない。…

「…いまの日本の政治にはまやかしが多すぎる。私利私欲の塊のエセ政治家が多すぎるんですな。…」


ちなみに私自身も自衛隊の存在には反対だが、その趣旨は本作で描かれているものとは全く違うことを書き添えておこう。

もうひとつ、私は人間に平和をもたらすのは政治ではなく科学だと思う。






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Last updated  2012.05.01 15:28:10
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