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カテゴリ: Science
「異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念―」(チャールズ・サイフェ、ハヤカワ文庫NF)を再読。

単に「ゼロ」という数の概念を記述しただけでなく、数学・幾何・物理・天文・哲学・宗教・歴史・戦争などとの絡みで、ゼロが如何に発見され、忌み嫌われ、そして受け入れられていったかが書かれた1冊。

以前読んだ時の感想は こちら 。

さて、再読に当たって改めて面白いと思ったのは、こんなところだ。
・ゼロの概念をはじめとして、数字記法や数字・科学は、戦争によって別の世界に拡散していくこと。
・ゼロと無限大の概念が分かちがたく結びついていること(何かをゼロで割れば無限大、何かを無限大で割ればゼロ)。
・ゼロと無限大の概念が単なる数学的なモノではなくて、物理学や天文学にも重要な意味を持っているということ。
・特に、現代物理学の二大巨塔である量子力学と相対性理論において、ゼロと無限大の果たした役割は非常に大きい(真空のエネルギーやブラックホールなど)。



大体のところは以前の感想に書いたが、今回も面白いと思ったところを幾つか引用してみよう。



スカリゲルの"ユリウス日"(かのユリウス・カエサルではなく、スカリゲルの父の名にちなんでつけられた呼び名)は、天文学上の出来事が起こった日を述べる標準的なやり方となった。

私たちの数字は、インド人が用いた記号が発展したものだ。だから本来、アラビア数字ではなくインド数字と呼ばれるべきである。

都合よく数学の規則を無視すると、リンゴの落下から空の惑星の軌道まで、何もかもが説明できるとなれば、誰もゼロで割ることを気にしなかった。正しい答えが出るとはいえ、微積分を用いるのは、神の存在を信じると宣言するのにおとらず、信仰に基づく行為だった。

ひも理論で宇宙からゼロを追放するという考えは、当分の間、科学というよりは哲学思想にとどまる。ひも理論が正しい可能性は十分あるが、確かめる手段はけっして手に入らないかもしれない。ゼロはまだ追放されていない。それどころか、ゼロが宇宙を創造したように思われる。



異端の数ゼロ/チャールズ・サイフェ





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Last updated  2012.05.26 08:04:11


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