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カテゴリ: Science
「史上最大の発明アルゴリズム-現代社会を造りあげた根本原理-」(デイヴィッド・バーリンスキ、ハヤカワ文庫NF)を読む。

タイトルをパッと見て、「アルゴリズムの歴史の話か~面白そうだな。これは買いだな」と思い、ロクに立ち読みもせずに買ってしまったのが、運のつきだったのかもしれない。

約500ページの本書の約300ページまでが、ほとんど数理論理学のお話であり、ひいひい言いながらなんとか読み進めた。いみじくも第10章の冒頭で 「門外漢にとっては、論理学ほど無味乾燥な学問もあるまいと思えることが多い」 と書いてあるとおりである。

そして、 読者の興味をつなぐのを助けるため に本文中のあちこちに挿入されているフィクションのおかげて、逆に余計に読み辛くなっている。

この手の本で必ず名前が登場しなければならないチューリング(本文中の表記はテューリング)の名前は、やっとこ第11章(310ページ)に登場。その後、ニューラルネットや巡回セールスマン問題などがチラッと登場するくらいで、GAやSAといった現代的なアルゴリズムの話は全然出てこない。何と言っても本文中に「アルゴリズム」という言葉の明確な定義さえ書かれていない。

おまけに、生物学は物理学によって説明できないという趣旨の、とんでもない勘違いまで記載されている(そうだとしたら、現在のバイオ研究は一体何だのだろうか、と思う)。

訳者あとがきには、本書は 「奇書」 米国の読者の間でも評価が分かれている ようであり、 原文には、普通の本にはめったに出てこない独立分詞構文が、著者に教養がありすぎるせいか、山ほども出てきていて、訳者の頭の混乱 を誘い、 原文は文学的というか凝った文体 であることが書かれている。

ハヤカワ文庫NFの「数理を愉しむ」シリーズの本としては、珍しく不出来だと思う。よほど興味があって根気がある人以外にはオススメできない。


史上最大の発明アルゴリズム/デイヴィッド・バーリンスキ





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Last updated  2012.07.03 15:19:04


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