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カテゴリ: Book Review
「風をつかまえて」(高嶋哲夫、文春文庫)を読む。

北海道のとある町が観光を当て込んだ風車の建設に乗り出す。建設を行うのは地元のさびれた鉄工所。そこで風車建設に携わる人たちの苦悩と苦闘、町側との思惑のすれ違いといったヒューマンドラマを軸とした1作。

最近の高嶋作品らしく、風力発電・風車建設という現代世界(現代日本とほぼ同じ)の社会問題を扱っていながら、科学的な専門用語は多用せず、平易なタッチで描かれている。しかし、軸を外していない、いい作品だと思う。風車に関する理工学的な話もちゃんと描きつつ、そこにある人間ドラマもちゃんと捉えている。

中には「東京の総合商社の底力」だの、「金の力」だの、私のキライなワードも出てくるが、風車建設の資金という側面をきちんと描く上では避けて通れないものなので、その辺はまぁ納得。

あと個人的には、鉄工所の息子である主人公・優輝が終盤で、自分が風車建設の中心的役割を担っていく時に、自分が見えなくなったり、周りにきつく当たったりする気持ちに、「あぁ、それ判るよ」という気持ちになった(実際、それは決して良くないことなのだが、私もよくそういう破目に陥ってしまうので)。

最後に、主要登場人物たちが風車の名前を決める時の台詞から一言引用。
「風の神様が護ってくれそうだ」
おぉ、ちょっと「風の谷のナウシカ」みたいでカッコイイぞ。


風をつかまえて/高嶋哲夫





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Last updated  2012.06.28 19:56:53
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