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カテゴリ: Book Review
「ツナグ」(辻村深月、新潮文庫)を読む。

いよいよ新潮文庫に辻村登場、である。

死んだ人間と生きている人間を会わせる窓口である「使者(ツナグ)」が、幾人からの依頼を受けて、それぞれの希望にしたがって死者との対面の場を設けていく。そんな短篇が連作の形でひとつの長篇小説になっていく。そして最後には「使者」自身の過去であったり、謎であったりが解けてゆく、という短篇で締めくくられている。

「死者」というのが幽霊とかではなく、死者の言葉を「使者」が単に伝言形式で生者に伝えるという形式でもないという、新たな設定が面白い。これまで読んだ辻村作品とは明らかに一線を画する感じがした。

それにしても、である。作中で「真逆」という言葉が2回も使われている(P.180とP.248)。私も常々気になっていたこの「真逆」という言葉、先日あるニュースサイトで「広辞苑にも大辞林にも載っていない」言葉であり、もし書くなら「正反対」と書けと指摘されていたた、「正しくない日本語」である。

それから、「今の私たちを差す」(P.182)は、「指す」の間違いであることは明らかだろう。辻村は仮にも国立の千葉大学教育学部卒である。そんな教育を受けた人間が、しかも「作家として」使う言葉が正確でない、というのは、ストーリーそのものが面白くても、作品の価値を下げてしまうと、これも私が常々思っていることである(まぁ辻村は私より年下だから仕方ないかと上から目線で見て半ば許しているが…)。

最近特に、漢字が「変換」で出てくるせいと、編集・校正の技術の低下のせいで、この手のミスがある本が大量に出版されているのは気になってならない。

でもまぁ、ストーリー的にはかなり面白かった。最後に登場人物のセリフから一節を引用。

「世の中が不公平なんて当たり前だよ。みんなに平等に不公平。フェアなんて誰にとっても存在しない」

特に、 「みんなに平等に不公平」


ツナグ /辻村深月





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Last updated  2012.09.08 08:05:06
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