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カテゴリ: Book Review
「ミザリー」(スティーヴン・キング、文春文庫)を読む。

「シャイニング」に続いて懐かしいキングの作品を再読。

作家のポール・シェルダンは、雪道の自動車事故で大けがを負う。そこを偶々通りかかった元看護婦のアニー・ウィルクスに助けられる。アニーはポールの大ファン。ポールは命拾いしたかと思ったがそれは大きな間違い。アニーはポールを自分の家に監禁し、「自分のためだけに」小説を書くように強要する。

底本は1987年刊。「シャイニング」の10年後。そしてこの頃既にキングお得意の「自分の作品へのインプリケーション」が見られる。「シャイニング」の舞台であるホテル「オーバールック」の名前がちょっと登場する。

まぁそれはさておき、この作品の主要登場人物はポールとアニーのふたりだけ。しかもポールは大けがで自分では動けず部屋に監禁状態。そしてアニーは狂人。さて、ポールはどうやってアニーの魔の手から逃れるか…。

こんなシチュエーションを描けるのもキングのすごいところ。そしていつも思うのだが、人間の正気と狂気の境目を描くのがキングの真骨頂。この作品でも狂人アニーだけでなく、ポールまでもが(監禁という特異状態に起因して)狂人へなりかかって何とかその淵で踏みとどまって戻ってくる、という心理描写が巧みである。

主人公の名前「ポール・シェルダン」は、当時日本でもブームになっていた作家「シドニー・シェルダン」を多分に意識したものであるところも面白い。

スーパーナチュラルの要素をほとんど排した密室ホラー小説。怖いが面白い1冊。


ミザリー/スティ-ヴン・キング





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Last updated  2012.11.18 10:53:44
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