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カテゴリ: Book Review
「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」(辻村深月、講談社文庫)を読む。

山梨県で育った幼馴染の女性2人、みずほとチエミ。みずほは上京、もうチエミは地元に残る。ところがある日、チエミが母親を殺して失踪したというニュースが。みずほはチエミの追跡を試みるが…というストーリー。

話の前半~中盤は、みずほがチエミとの共通の友人たちを訪れ、話を聴いていく。合間合間に回想の場面が入り、彼女たちの過去の関係が明らかになっていく。

主要登場人物がほぼ女性で固められているせいで、女性の友情・確執・同情・比較・嫉妬といった女性特有の感情・人間関係が描かれていて、ここは男性の私としては面白くもあり、理解しがたいところでもあった。

話の後半に向けては、早急過ぎる展開な気がする。起承転結でいえば「転」があまりに突飛で、「結」が短すぎる。他の辻村作品を見るに、もっと長いエピローグがあってもよかったと思うし、何より「転」が私にとっては落ち着かない。話としてはまぁまぁ面白いのだが、今まで読んだ辻村作品より少しクオリティが落ちるかな、というのが正直なところ。

あと、相変わらず「なおざり」を「おざなり」と誤記しているし…と思って辞書を引いたら「なおざり=等閑」「おざなり=お座成り」で、両方あるらしい。これには謝罪。

で、これは繰り返しになるが、辻村は絶対キングファンだと思うという記述が本作にも。車にお守りとして「ドリームキャッチャー」がつけられている場面がある。

最後に「これは」と思われた箇所を1つ引用させて頂こう。
三十歳という年齢は、あの頃の私たちにとってさえもっと大人だと思えていたのに、今も私は自分や友達に対して「男の子」「女の子」という言葉を使う。ほとんど無意識に。私たちは大人ではなく、かとってい子供では許されないのに、まだどうしようもなく生身で未熟なのだ。四十代になっても、五十代になっても、ひょっとしたら一生そうなのかもしれない。
私自身も、そうなのかも知れない。


ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。/辻村深月






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Last updated  2013.02.09 08:33:51
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