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カテゴリ: Book Review
「V.T.R.」(辻村深月、講談社文庫)を読む。

帯にもあるように、この本を読む前に辻村の「スロウハイツの神様」を読んでおかないとこの本は楽しめない。表紙をめくった扉の記載は「V.T.R.」(チヨダ・コーキ、代々社文庫)である。このチヨダなる人物が「スロウハイツ~」に登場する売れっ子ライトノベル作家なのである。そしてこの本は彼のデビュー作という位置づけである。

さて、内容であるが、1000人カッキリの殺人を犯しても許される「マーダー」や、依存性の全くないドラッグが存在する世界。でもATMや公衆電話がまだ存在するので、近未来の日本なのか外国なのか、とにかく時代と場所の設定は判りにくい。

主人公はマーダーの一人で、同じくマーダーである女性の「ヒモ」状態であるのだが、その彼女と別れてしまってからの話。いろんな人物を辿ってその女性を探すのだが、そこには必ず彼女のよからぬ噂がつきまとう。まぁ結末は読んでのお楽しみ。

ただ、正直「スロウハイツ~」のイメージからすると、チヨダのデビュー作ってこんなもんなんだ、という感じ。まぁ売れっ子でも最初はこんなものなのかな、と思った。

そしてこの本の解説を書いている赤羽環は「スロウハイツ」のオーナーで、チヨダを敬愛する人物。この人の解説を読むと、チヨダのこの作品が心に刺さるかどうかは、子供と大人の感性のどっちが正しいか、にかかってくるのだという。そういう意味では私はチヨダの作品を読むにはトウが立ち過ぎているのかもしれない。

以下、作中から気に入ったところを引用させて頂く。



壊すのは簡単にできる。だけど治すのは、本当に大変。


こういう表現・描写は私は好きなんだけどね。このデビュー作のチヨダはまだまだ粗削りで何とかで…「耳をすませば」の月島雫とでもいったところだろうか?

あと1点、漢字で気になったところがある。



私の「スロウハイツの神様」の感想は、 コチラ 。

今年37冊目をクリア。


V.T.R./辻村深月


スロウハイツの神様(上)/辻村深月


スロウハイツの神様(下)/辻村深月





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Last updated  2013.07.14 09:36:12
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