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カテゴリ: Book Review
「書くことについて」(スティーヴン・キング、小学館文庫)を読む。

元はアーティストハウスから「小説作法」として出版されていて、私はそっちを図書館で借りて読んだことがあるのだが、こちらのほうが初訳とのこと。原題が「On writing ~」なので、こちらのほうが直訳的タイトルであるが、内容はどちらにしてもキング流の「小説作法」であり「書くことについて」書かれた本である。

大体の構成は、キングの生い立ち、小説家としての「道具箱」、そして「書くことについて」「生きることについて」、最後に初稿を第二稿に添削する事例を自らの作品「1408号室」を題材にして描いている。

キングがなんでここまで多作なのかという謎が解けたり、いろいろな作品の誕生秘話が読めたり、キングが小説家の卵にむけたアドバイスがあったりと、キング・ファンなら誰でも喜ぶ内容。

例えば、処女作(まさに「処女作」!)「キャリー」の着想を得た青年時代のアルバイトの話、修学旅行で初めて酒を飲んでもう2度と飲まないと誓った話(その後アル中になるのだが)、「グリーン・マイル」の主人公のイニシャルが何故「J.C.」であるかという話…とまぁ枚挙に暇がない。

ただ、キング・ファンとして解せない点も。それは前にも書いたかも知れないが、「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」(リチャード・アダムズ、評論社)を絶賛しているのだが、これは私が読んだところ何が面白いのかさっぱり判らなかった作品である。

あと、首を捻るところとしては、キングはプロットをさほど重視しておらず、プロットを使った「不眠症」と「ローズ・マダー」をあまりいい出来ではないといっているが、私は「ローズ・マダー」のプロットはけっこう好きだということ。まぁ作品は作者の手を離れると読者のものになるから、作者と読者の間でさえも意見が割れるのかも。

話はそれるが、アーティストハウスは確か破産してしまったはず。そこから出版されていたキング作品(小説)には(少なくとも)「ドラゴンの眼」と「ライディング・ザ・ブレット」がある(これらも図書館で借りて読んだ)。しかも、「ライディング・ザ・ブレット」は版権の問題で短篇集「幸運の25セント硬貨」(新潮文庫)にも収録されそこなった作品である。是非別の出版社が版権を引き継いで文庫化して欲しい。私の本棚には文庫しか入らないのである(文字通りの意味ではなく、スペースがなくなるから文庫しか保存していないのである)。

あと、私の記憶が正しければ(つまり、少なくとも)キング作品で文庫化待ちなのは「リーシーの物語」「悪霊の島」「アンダー・ザ・ドーム」、執筆中(翻訳待ち?)なのが「シャイニング」の続編、と相変わらず多作ぶりを発揮しまくっている。「キャリー」が書かれたのが私の生まれる前だから、ホントにキングは「キング」であるなぁと思う。


とにかく本書はキング・ファン必読の書である!!

最後に一節だけ引用を。
人生は芸術の支援組織ではない。その逆である。

「小説作法」の感想は、 コチラ 。
「ドラゴンの眼」の感想は、 コチラ 。
「不眠症」の感想は、 コチラ(ハードカバー) と コチラ(文庫) 。
「ライディング・ザ・ブレット」の感想は、 コチラ 。
コチラ 。

(昔の感想の書き方を見ると、今とだいぶ変わってるなぁと自分でも思う。)

これで今年43冊目。


書くことについて/スティーヴン・キング


不眠症・上/スティーヴン・キング


不眠症・下/スティーヴン・キング





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Last updated  2013.08.13 19:51:17
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