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カテゴリ: Science
「ヒラノ教授の論文必勝法-教科書が教えてくれない裏事情-」(今野浩、中公新書ラクレ)を読む。

「論文の書き方」以外の部分の論文必勝法について面白く書いてある。例えば研究業績の評価方法として、論文のインパクトファクター(IF)やサイエンス・サイテーション・インデックス(SCI)があること(IFは知っていたが、SCIはは初耳)とその詳細、科研費などの研究資金の取得方法やマメ知識、論文審査(査読)をくぐりぬけるテクニック、論文と特許、webと論文…などである。この本のイイところは、ポイントとなる箇所が太字になっており、さらに章末に「ポイント」としてまとめられている点である。さすがに長い間大学で研究と教育に勤しんだ人の書いたモノである。読みやすい。

私も一応査読(レフェリー)付き論文を2本書いているが、その時のレフェリーの審査はこの本に登場するような悪質なものでなくよかったと思った。でもレフェリーのひとりは明らかに自分の論文を引用せよ、ということを言ってきたので、匿名査読でも何でもなくなってしまったのだが(少なくとも私には査読者のひとりが誰なのか判った)。

それからインターネットと論文については、私も自分の論文を調べてみたのだが、Google Scholarで自分の名前とキーワードを入れると、ちゃんと自分の論文が引っかかることが判った。しかも丁寧にPDFまで。私自身はPDFは公開した覚えはないのだが…でも逆にこれが役に立つことも多いんだよね。最近大概の論文はwebでPDFが入手できるようになって、国会図書館に行かなくて済むから。ちなみに私の論文は、オーストラリアの物理探査学会の会誌にも(日本と韓国だけでなく)掲載されているので、それが検索で引っかかった。やっぱり英語で書いておくと、あとあとイイことがあるね。更に付け加えれば、1本目の論文は初めGJIに投稿したのだが、1年以上査読に要してしかも結果がリジェクトだった。それを突貫工事でY先生に手直ししてもらって物理探査学会の会誌に載ったのである。

話を内容に戻すと、文理融合研究について面白い記載が…。

…文理融合研究は、文系研究者(経済学者や社会学者)のリーダーシップのもとで行われることが多いのだが、エンジニアが文系研究者のカルチャーに合わせるのは容易でない…むしろ理工系の研究者がリーダーシップを取り、文系の研究者にエンジニア・カルチャーに合わせてもらう方が、はるかに実り多い研究成果を生む…


これは仰るとおり。しかし、理工系研究者(特に理学系)の多くは自分の研究にしか興味はないので、この手のリーダーシップを取ろうとする人間はあまりいないし、そもそも取ろうとしない。そこへいくと(また話は脱線)、理学系と工学系の差はあれど、我らが東工大の(私の出身学科である)理学部地球惑星科学科のM先生は大変優れている。地惑のスポークスマンとして対外交渉にも長けており、科研費などの研究費の獲得も得意であったはずである(でないとアイスランドでヘリを使う研究なんて出来ない)。

そして人生観として引用したいことがひとつ。筆者の友人の弁であるらしいが…。

不遇な時は劣等感を養って、次の飛躍に備える

まさに今の自分にぴったりだと思った。

今年8冊目。


ヒラノ教授の論文必勝法-教科書が教えてくれない裏事情-/今野浩





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Last updated  2014.02.15 11:49:42


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